JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーに投資したのは正しかったのか

先週、私はJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)を購入しました。JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは世界有数の複合金融機関でご存じの方も多いと思います。私は米国株については基本的に貴族株を投資対象としていて、他には高配当のETFのみを購入しています。しかし、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは現在貴族株ではありませんし、決して高配当というわけでもありません。しかし、米国の大手銀行は6月、FRBのストレステストを通過後、相次いで増配や自社株買いなどの株主還元策を打ち出しました。そのころから私は米国の銀行株には注目してチェックをしていたということです。ただ、その多くは貴族株ではないので投資するかどうか随分悩んで結局実行するまで3か月もかかってしまいました。というわけで今日はJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーについてみていきたいと思います。

事業内容

JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co)は金融持株会社である。【事業内容】投資銀行業務、金融サービスおよび資産管理を行う。法人セグメントだけでなく、4つのセグメントで運営される。セグメントは、コンシューマー・アンド・コミュニティバンキング、コーポレート・アンド・インベストメントバンク、コマーシャルバンキング、アセットマネジメントである。コンシューマー・アンド・コミュニティバンキングセグメントは、銀行支店、現金自動預け払い機、オンライン、モバイル、電話バンキングを通じて消費者と企業にサービスを提供する。銀行および市場および投資家サービスで構成されるコーポレート・アンド・インベストメントバンクセグメントは、企業、投資家、金融機関、政府および地方自治体に投資銀行業務、市場形成、プライムブローカレッジ、および財務および証券の製品およびサービスを提供する。コマーシャルバンキングセグメントは、貸付、財務サービス、投資銀行業務、資産管理などの金融ソリューションを提供する。資産管理セグメントは、投資および資産管理で構成される。

引用:investing.comより

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは米国ニューヨークに本社を置く金融持ち株会社です。とにかく大きな銀行で、個人から法人向け、投資銀行など多種多様なサービスを提供している銀行ということでしょう。おそらく日本でも知っている人は大勢いるでしょうし、特に投資をしている人であれば一度は聞いたことある名前だと思います。私自身、直接投資をするのは今回が初めてですが、海外送金などサービスを利用するときにときどき見かけることがあります。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

2009年に大きく上昇して以降は横ばいか、やや上昇といった感じでしょうか。あまり大きく業績を増やしているというわけではないようです。しかし、去年の新型コロナウィルスパンデミックにおいても業績を増やしているところはさすがといったところでしょう。今後は中国の不動産バブルや米国のインフレ懸念などをどのようにして乗り切るのかが課題ではないかと思います。リーマンショックも経験していることだし、同じようなことにならないよう期待したいです。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

右肩上がりになっていて順調に株価は推移しています。長期間にわたり右肩上がりというのは非常に理想的です。去年の新型コロナウィルスパンデミックの時はさすがに大きく下落していますが、そこからすでに回復していて、もとのラインに戻ってきているのがよくわかります。新型コロナやリーマンショックなどいくつもの大きな波を乗り越えこのような右肩上がりの株価を描けるのは非常に強いビジネスモデルを持っているからでしょう。長期投資家としては非常に魅力的なチャートです。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

これを見るとわかるように、特定の事業に収益の大部分を依存するということはなく、幅広く事業展開をしているのが分かります。こういう会社は何か問題が起きても他でカバーすることができるので不測の事態にも対応しやすいでしょう。そういう意味でも安定を望む私としては非常に興味がわいてきます。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

近年は消費者向けサービスを大きく伸ばしてきたようです。しかし、去年の新型コロナウィルスパンデミックではその消費者部門が少し落ち込みました。その代わり、企業部門が大きく伸び、損失分をカバーしたようです。これから経済回復局面になったときにこのグラフがどのように変わるのかが、非常に興味があります。以前のように消費者部門を回復させつつ、企業部門も維持できれば最高です。きちんとチェックしていきたいところです。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

非常に強い上昇をしていて配当狙いの投資家としては大変魅力的な配当履歴となっています。冒頭でも述べましたが、大手銀行はストレステストの結果、株主還元策を相次いで強化することを発表しました。JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーも同様に、増配と自社株買いの継続を発表しています。そういう意味でも今後の増配など株主還元策には大いに期待できます。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは普通です。可もなく不可もなくといった感じでしょうか。しかし、先ほども述べたように、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは株主還元策としての増配を発表しています。今後もその流れが続いていく可能性は大いにあるので、配当利回りは上昇していくのではないでしょうか。配当性向も24%と非常に低く、十分に資金に余裕はあります。業績も若干ではありますが上昇傾向ですし、いきなり配当が凍結、削減される可能性は低いでしょう。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは11倍程度と非常に低く、割安です。しかし、バンクOZKの投稿でも述べたように、銀行株は他の業種に比べてPERは低めに出ます。なので、比較するときは市場全体とではなく、同業他社や過去の自分自身との比較する方がより正確です。過去のJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーのPERは上図のような感じで推移しています。現在は過去に比べてやや低くなっていることが分かります。そういう意味でも、投資タイミングとしては悪くないと思います。

貴族株指標

それではいつもの貴族株指標を見ていきたいと思います。

  • 増配年数 11年
  • 配当利回り 2.44%
  • 1年増配率 9.09%
  • 3年増配率 20.84%
  • 5年増配率 16.46%
  • 10年増配率 33.51%
  • 配当性向 26.68%
  • PER 10.59

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

冒頭でも述べたようにJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは現在連続増配年数11年と、貴族株と呼ばれる銘柄群には所属していません。なので本来は投資対象としていないのですが、今回はFRBのストレステストの結果もあり投資対象として検討してみました。配当利回りは2.44%と特別高くはありません。しかし、今回検討した銀行株の中では比較的高めでした。なので、特別悪いというわけではないですが、少々物足りないところです。増配率は大変素晴らしいです。ここ一年は10%を切っていますが、それでも十分な数字ですし、3年、5年、10年の数字は素晴らしいの一言です。新型コロナウィルスのパンデミック収束後はまた以前のような高い増配率を期待したいところです。配当性向も26.68%と非常に低く、資金面での心配はいらないでしょう。PERは市場全体から見ても低めですし、過去の推移と比較しても十分に低く、投資対象として検討する価値はあります。

まとめ

今回は私が最近投資したということもあり、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーについていろいろ検討してみました。この内容を見る限り、今回投資したことは間違いではなかったと確信しています。増配年数は11年ですが、今から11年前というとちょうどリーマンショックから立ち直りだした時期になります。つまり、リーマンショックが業績に影響して配当を増配できなかった可能性があるというわけです。JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー自体に問題があるわけではないので、そこまで気にする必要もないのかなと思いました。まあ、全く問題がないとまでは思いませんが。インフレ懸念や中国の問題など、不安材料はありますが、数字を見る限りJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは投資対象として検討する価値があると思います。