隣の芝生はなんとやら

最近、私は「The Financial Pointer」というブログを愛読しています。このサイトでは主に海外の著名な投資家や経済学者など様々な人の発言を紹介しているサイトです。ウォーレン・バフェットやレイ・ダリオなど、私も知っている有名人や、私が知らないだけで多分有名なんだろうという人まで、本当にいろんな人の発言が毎日配信されています。皆さんも知っている人は一人はいるだろうし、投資に詳しい人ならもしかしたらほとんどの人を知っているのかもしれません。いろいろな人たちの言葉を聞けるので非常に勉強になるし、読み物としても大変面白いです。まだ、読み始めて一週間程度なので、ごくごく一部しか読んでいませんが、その中で興味深かった発言をいくつか取り上げてみたいと思います。

デービッド・ローゼンバーグ氏の発言

この人はベア派エコノミストでいつも米国に悲観的な発言をしているらしいです。記事の中でもたくさん悲観的な発言を述べていて、聞いているとこっちまで不安になってくるレベルです。簡単にまとめると、

  • 現在の低金利政策を続けると、今後10年にわたって、GDP成長率は大して成長しない。
  • 今後、3年間はS&P500のパフォーマンスはマイナスになる。

などなど、とにかく悲観的な発言のオンパレードです。よくここまで悲観的になれるなと感心してしまいました。正直、細かい専門的な発言は私にはわからないので、詳しく解説はできないのですが、そこまで言わなくてもいいだろうという感じです。確かに現在の米国を見れば、とてつもない規模の財政刺激策をして市場原理をゆがめていることは事実でしょう。しかし、新型コロナウィルスパンデミックという未曽有の事態を迎えているのですからある程度は仕方のないことだと思います。正直、そこは専門家のあなたたちが頑張って何とかしてくださいよと、思ってしまいます。そんなこと言われてもデービッド・ローゼンバーグ氏だって困るでしょうけどね。

そんな悲観的な発言オンパレードのデービッド・ローゼンバーグ氏ですが、最後にとんでもない発言をしていました。

私なら日本株に投資する。

日本株のバリュエーションははるかに魅力的だ。

まさに、耳を疑う発言というのはこういうものをいうのではないでしょうか。ここまで米国に悲観的な発言をしている人が、日本株には魅力があるといっているのです。この30年、デフレに苦しみ、全く成長してこられなかった国に投資したいという、私からしたら信じられない発言です。日本に住んでいて、米国に投資をしようという人は少なからず、日本という国の可能性に悲観的になっている人が多いのではないかと思います。だからこそ、外の世界へ目を向け、米国に投資をしてみようとなったのでしょう。私もその一人です。もちろん日本はもう終わりだとまで言うつもりはありませんが、投資対象としてみたとき、日本よりももっと有望な市場は他にもあると考えて、米国に投資しています。そういう人間からするとデービッド・ローゼンバーグ氏の発言は非常に驚愕させられる発言です。同じものでも視点が違えば見えてくるものも違ってくるということなのでしょうか。私たちには見えない可能性をデービッド・ローゼンバーグ氏が見ているのだとすれば、ぜひ知りたいところですが、残念ながらその記述はありませんでした。外国人であるデービッド・ローゼンバーグ氏にはわかることが、日本人である私にはわからないのかと思うと、少し残念で悔しい気持ちになります。何とかして彼に見えているものを感じ取ってみたいものです。

ジェレミー・グランサム氏の発言

ジェレミー・グランサム氏はバブルの研究家として有名な方だそうですが、こちらも負けず劣らず米国市場に悲観的です。同氏もS&P500が数か月のうちに数十%の下落をすると考えているようで、仮想通貨などにも悲観的です。その両方について、誰かが買ってくれるという過度な思い込みによって上昇が支えられていていると述べています。たしかに今の市場は過度な期待に満ちた熱狂をしているように見えます。S&P500についてもずっと右肩上がりで上昇していますし、仮想通貨などの上昇は正直あり得ないレベルだと個人的には思っています。

そのジェレミー・グランサム氏ですが、発言の中で有望な投資先として

  • 地球温暖化
  • VC
  • 日本・英国ほか外国バリュー投資

をあげています。なんとまたしても日本の登場です。ここまで米国に悲観的な人たちが、相次いで日本を投資先として魅力を感じているというのは何なんだろうと思います。確かに日本株は割安なのかもしれませんが、そこまで大きな上昇をするとも思えません。人口減少や高齢化など抱える問題が多すぎて、私にはとても有望には見えません。やはり、外から見る景色というのは違うということなのでしょうか。ジェレミー・グランサム氏の発言についても、なぜ日本が投資先として有望なのかの記述はありませんでした。こうも続けて日本に対するポジティブな発言を聞き、その理由を聞けないというのは非常にもやもやした気持ちになります。もしかして騙されているのではないかとも思いますが、なぜ、日本が有望なんでしょう。割安というだけなんでしょうか?記事を読んでからずっと考えていますが、なかなか答えは見つかりません。

まとめ

今日は私が気になった著名人の発言について述べてきました。もうお分かりになっていただけたと思いますが、私が気になったのは意外と日本は悪く見られてないのかなということです。もちろん、たった二人だけの意見ですからこれをもって全体の意見とするわけではありません。しかし、このような考えの人もいることも事実でしょう。そう考えると、常日頃思っている

「日本は成長しないから投資先としてはだめだ」

とか、

「やっぱり投資するなら世界一位の、しかもこれからも成長を続けるであろう米国なんだ」

とか、あまり先入観を持って世界を見ない方がいいのだろうと思いました。しかし、もう少し投資先としての日本を考え直した方がいいのだろうかと思いつつ、やっぱりまだそこまでの考えには至らない自分がいます。結構、真剣に考えたつもりではあるけれど、なかなか良い答えは見つかりません。まあ、私ごときが世界的な著名人の考えなどわかるはずなどありませんから、この辺が限界でしょう。考えたところで私にできることは限られています。とりあえずはあまり深いことは考えず、個人投資家らしくゆっくり慌てず、長期的な目線で投資していこうという結論に至りました。ただ、日本についてはもう少し考え方を改め、投資のチャンスも探していこうと思います。