日銀の物価目標に対する政策を賃金に変更するのはどうなのか

失われた30年というあまりにも長い長期低迷に陥っている日本ですが、この問題を解決する方法はあるのでしょうか。なかなか難しい問題ですが、日銀は消費者物価を2%上げる目標を続けています。私はこの目標事態間違っているとは思いませんが、安倍政権から現在に至るまでこの政策を行ってきて、未だに結果が出ていないということは真摯に受け止め、改善する必要はあるのだろうと思っています。しかし、実際どうすればいいのかと言われると正直わかりません。私は経済に関しては全くの素人です。投資はもう20年ほどやっていますが、経済政策は全くの別物です。なのでどうするのがいいのかなと思っていました。先日、東京大学の 渡辺努教授がテレビ東京の番組に出演し、日銀の政策を変更するよう提案したようです。その提案は個人的には悪くはないのかなと思い、非常に興味が出たところです。なので今日はその改善案について共有できればと思います。

内容について

番組では渡辺教授は現在の状況についてこのように述べています。

原因を理解することが大切だ。1つはよく言われる労働生産性が上がらないこと。もう1つは物価だ。

日本の生産性が悪いということはもう周知の事実でしょう。そこの改善は絶対に必要です。そして物価も全く上がらず、長期間に渡るデフレに陥っていることも問題と言っています。これらを改善させるために日銀は消費者物価の2%上昇を目標としていますが、これを物価ではなく賃金にしたらどうかと言っています。これは非常に正しい指摘だと思います。今国民が感じていることは、全く賃金が上がる見込みがないということです。賃金が上がらないのであれば消費も増やすことができません。消費が上がらないのであれば企業も当然利益は上がらないでしょう。利益が上がらなければ労働者の給与も増やすことができず、消費が伸びないという悪循環に陥っているのです。どこかでこの悪循環を断ち切らなければなりませんが、それには賃金の上昇がいいということなのです。

将来の不安も取り除くべき

私もこの意見には賛成です。私も社会人になって長くなりますが、本当に賃金は上がっていきません。これでは消費をしろというのは無理な話です。賃金が上がればそれは消費につながっていきます。ですから賃金を上げる政策をするべきです。それとThe Financial Pointer®でも述べていましたが、将来に対する不安を取り除くということも必要でしょう。仮に岸田政権が賃金の上昇を要請し、企業がそれに応じたとしても、将来に渡ってそれが続くという見込みが得られなければ、おそらくその多くは消費に回らず貯蓄に向かってしまうでしょう。現在日本の個人資産は年々増え続けています。日本人はお金がないわけではないのです。10万円を配ったところでその殆どは貯蓄に回っています。なぜそうなるかといえば将来に対する不安があるからです。将来がとても明るいと思えば借金をしてでも消費をするでしょう。そうなれば経済は勢い良く回っていきます。賃金上昇については一時的なものではなく継続的な上昇となるような環境を作り、社会保障なども充実させることにより将来の安心を約束させるような政策を実行するべきです。

やはり改革が必要

渡辺教授の言った2つの改善点、生産性を上げることと賃金を上昇するように目標を変更するというものを実現させようと思えば、やはり改革は必要でしょう。既得権益を守ったままでは絶対に生産性は上がりません。新しい産業や考え方をどんどん取り入れ、世界で戦っていけるような企業や人を作る必要があるのでしょう。そうなれば自然と生産性も向上し、賃金だって上がるはずです。

まとめ

今日は渡辺教授の政策変更の提言をもとに、話をしていきました。日本の長期間に渡るデフレというのは本当になんとかしないといけません。今までは多くの貯蓄があったのでなんとかなってきましたが、もうそれも限界に近いと思います。格差はどんどん広がる傾向にあり、若い人は将来に希望を見いだせなくなってきています。そんな中世界は高インフレの状況を迎え、日本もついに物価が上昇しそうな勢いです。このままでは賃金が上がらずに物価が上がるという最悪の状況に陥る可能性がかなり高いと思います。なんとかしてほしいものですが、今の政権はあまり改革に積極的という印象はありません。非常に危機感を覚えます。生産性を上げるということはレイ・ダリオを始め多くの識者がこの状況を乗り切るために必要だと言っています。日本は特にそうだと思います。このまま行けば日本はどんどん貧しい国になり格差が広がっていくでしょう。そうならないためにも政府にはなんとかしてほしいものです。そして我々も現状に甘んじることなく変革する意識が必要なんだと思います。