半導体不足により洗濯機の価値が上がる?

現在、世界的な半導体不足により自動車業界をはじめ、様々な産業で影響が出ています。その影響は業績に深刻な影響を与えており、一刻も早く状況が改善されることを願うばかりですが、なかなか思うように入っていないのが現状です。そのため各企業や業界ごとに何とか持ちこたえようと必死に知恵を絞っていることでしょう。そのようなことに関するニュースを見つけたので今日はそれについて述べていきたいと思います。

半導体は非常に多くの製品に使われている

現在、半導体は世界的に深刻な不足に陥っています。半導体は今やあらゆる製品に使われており、それなしには成り立たないという状況になっています。一昔前だったら考えられなかったような製品にも使われるようになっており、多くの業界へ影響を与えています。車は以前はそこまで高度な電子部品というのは使われていませんでした。単純にエンジンと、それを制御するための装置等で構成されており、電子部品などはごくごく一部でした。しかし現在の車には非常に多くの電子部品が使われています。今の車は私の子供のころのようなただの箱というものではありません。何かあれば常にセンサーで危険を教えてくれたりアラーム音で注意を促してくれたりします。エンジンも運転手が適当に操作したとしても最適な回転数に制御してくれたりします。このように車には高度な電子部品というのは欠かせないものとなっており、それは車だけでなく、あらゆる製品に及んでいるのです。

新型コロナウィルスパンデミックの影響により、供給が滞る

そのため、半導体の需要というのは飛躍的に伸びることになります。そこへ新型コロナウイルスパンデミックの影響により供給が滞ることになり需給のバランスが極端に崩れることになったのです。現在は新型コロナウィルスパンデミックの影響もだいぶ落ち着いてきてはいますが、需給の完全な回復には至っていません。そのために各メーカーや業界が半導体確保に腐心しているのです。

洗濯機を回収して半導体を取り出している

そんな中、半導体製造装置メーカーの一つであるASMLのCEO、ピーター・ウエニンク氏が非常に面白い話をしていました。

ウェニンク氏は2022年4月20日に行ったASMLの決算発表において、第1四半期の売上が予想を上回っていたことを公表。半導体リソグラフィ技術を提供する同社は引き続き売上高を伸ばしていくだろうと予想しました。ウェニンク氏はアナリストとの対話で「現在、顧客基盤に衰退の兆候は見られません」と述べ、半導体需要が高い水準を保っていることを強調。さらに「これまでに機器を販売したほとんどすべての顧客が、半導体を利用した古い製品を買いあさっています」「某大手企業は半導体を回収するために古い洗濯機を購入しています」と述べ、半導体供給能力の限界に達した企業が古い機器を買い集めている状況を明かしています。

引用:GIGAZINEより

半導体不足の影響もあり、同社の業績は好調のようです。そのなかで半導体確保に苦労している状況を話していました。半導体が不足しているために古い製品を買いあさっているというのです。おそらくはそこから半導体を回収し、再利用しようというのでしょう。そしてそれは洗濯機にも及んでいるというのです。確かに洗濯機も最近は非常に高機能な製品が作られるようになってきました。ただ単純に浴槽を回転させているだけではありませんから、それなりの半導体は使っているのかもしれません。しかし、洗濯機のような製品にも手が伸びているというのはそれだけ厳しい状況なのだろうということが容易に想像できる話であり、興味深いものだと思いました。

古い半導体でも大きな問題はない

古い半導体を再利用しているということで心配している人もいると思いますが、その必要はなさそうです。実際今使われている半導体もすべて最新の技術が使われているわけではなく、古い半導体も非常に多く使われているとのことです。何も洗濯機にまで最新の半導体を使う必要はないというのは何となくわかるのではないかと思います。車についてもそのようで、最新のものよりもある程度使われてきており、安定度の高いものの方がよくつかわれているなんて話も聞きます。そういう意味では篩半導体を回収するということも悪い話ばかりではないのかもしれません。

今後もしばらくは半導体不足が続く見込み

今後の状況についてですが、正直何とも言えないというところではないでしょうか。先ほどの記事には以下のようなものが載っています。

なお、AMDのリサ・スーCEOは世界的な半導体不足について「2022年下半期には深刻なものではなくなるだろう」という楽観的な見方を示しています。一方で、半導体メーカーのIntelは「供給不足は2023年まで続く」と厳しい見方を示しています。

引用:GIGAZINEより

AMDとIntelという2大メーカーが全く異なる見解を示しているのです。AMDは今年中には状況は改善するとの見通しを示しており、Intelは来年までこの状況が続くとみています。これでは正直どうなるかわかりません。少なくとも私はAMDやIntel程半導体に詳しいわけがないのでわかるはずもないんですが。いつかは改善することは間違いないと思いますが、しばらくはこの状況が続くことは覚悟しておいた方がいいのだろうと思います。

まとめ

今日は半導体不足に関する面白い記事を紹介しました。世界的な半導体不足はあらゆる業界にとって深刻な事態を招いています。そのために皆が知恵を絞って何とかこの状況を乗り切っていこうという努力がよく見える内容ではないかと思います。いずれにせよ、最後にも述べたように今後の状況は非常に不透明であるといわざるを得ません。なのでどのようなことが起こってもいいように準備しておくべきでしょう。特にテクノロジー関連はインフレ抑制の中ではただでさえ厳しい戦いを強いられる可能性が高い業界です。そういう意味では投資するときは十分に注意をするべきです。