調整局面が予想される市場で個人投資家が注意すべきこと

もうすぐ2021年も終わり、新たな年が始まろうとしています。2022年はどういう年になるのでしょうか。未来のことについて確実なことは言えませんが、今のところ多くの識者の意見はインフレなどの影響により調整局面に入るというものが多いような気がします。個人的にもその確率は高いと思いますし、今までのような株価上昇というのは期待できないかもしれません。そのような未来に向けて我々投資家はどのようにしたらいいのか、難しい問題ですが、マーク・ファーバー氏は投資家に向けて非常に良いアドバイスをしていました。今日はそれについて取り上げてみたいと思います。

来年はバリュー株に資金が流入する

ファーバー氏はインタビューで来年はバリュー株に資金が流入するとみているようです。

世界中でバリュー株は出遅れている。・・・

市場の岐路では投資家のお気に入りが・・・ヘッジファンドはFANGを大きく買っているが・・・アンダーパフォームし、資金がバリュー株に流入するだろう。

引用:The Financial Pointer® 今投資家が重視すべきこと:マーク・ファーバー より

今まではGAFAなど成長著しいグロース株が市場をけん引してきました。そのためバリュー株はあまり注目されず、よい業績を上げているにもかかわらず株価があまり振るわないものも多くあったようです。しかし、テーパリングの終了や金利の上昇など株式市場から資金が流出するようなイベントが今後も続くことが予想されます。そうなると今まで上昇してきたグロース株は大きく下落するリスクがあるでしょう。そしてより安全で確実な利益を出している安定したバリュー株に資金が集まるというのです。個人的にはこの意見には同意するところです。ウォーレン・バフェット氏なども言っている通り、今は実態よりも株価が異常に上昇しているものが多くあります。株式市場から資金が流出し、金利が上昇すればそのような異常な上昇をしている株からは特に資金が逃げていくでしょう。そうなればまたさらに資金流出を呼び込み、一段と株が下落するという悪循環に陥るかもしれません。その危険性は十分に考えられます。そうなれば相対的に今まで無視されてきたバリュー株には資金が集まりやすくなるはずです。それらの銘柄というのは非常に強固な収益構造を持った企業が多いですから不況時でも確実な利益を上げることができるものが沢山あります。なので景気がたとえ下落したとしてもグロース株に比べれば比較的被害は少なく済むと読めるのです。そしてその動きがまたさらに資金を呼び込み株価が上昇するという好循環に持ち込めるかもしれません。市場全体が下げれば大きく上げるということはないかもしれませんが、市場平均よりも良いパフォーマンスを上げられる可能性は十分にあるでしょう。

大事なのはとにかく分散

そしてファーバー氏は投資家に対して次のようなアドバイスをしています。

お金を倍にすることより資産を保全することの方が重要になっている。

お金を倍にすることもできるかもしれないが、そのためにはカジノで黒に賭けるようなやり方をしないといけない。・・・

未来・長期・家族のための投資に興味がある投資家ならば、1つやるべきことは分散だ。

引用:The Financial Pointer® 今投資家が重視すべきこと:マーク・ファーバー より

今は資産を増やすよりも守ることが大事だといっています。この考え方は非常に重要です。株式投資というととにかく資産を増やした人が注目されがちです。何倍に増やしたとかFIREを達成したとか非常に人の関心を引き付けるワードが常に踊っています。しかし、投資をする目的として増やすということも大事ですが、守るということも非常に大事なことです。むしろこちらの方が個人投資家にとっては重要なことだと思います。普段仕事をしている人にとっては株式投資で生活費と賄う必要というのはありません。あくまで大切な資産をインフレなど外的要因から守るというのが非常に大切なことなのです。本来的にはこちらの方が重要なテーマだと思いますが、この視点を忘れている人が多いような気がします。特にこれから市場が調整するだろうということが予想されますから、無理に利益を上げようとすれば大やけどをする可能性が大きくなるでしょう。利益を上げづらいときは無理に稼ごうとせず、その時が来るまでじっくり待てばいいのです。我々には時間はたっぷりあります。慌てる必要はありません。そして資産を守るに分散が大事なのです。限られたものに集中してしまえば何かトラブルが起きた時に大きく資産を減らすことになるでしょう。そうならないようにするためにもきちんと資産を分散させ、しっかりと守る必要があるのです。ウォーレン・バフェットのように特別な能力がある人であれば集中投資をしてもいいでしょう。しかし、ほとんどの人はそんな能力はありません。凡人にできることはしっかりと分散をして、時間を味方につけることだと思います。

まとめ

今日はマーク・ファーバー氏の発言をもとにこれからの投資姿勢について考えてみました。来年はおそらく大きな調整局面に入るでしょう。もちろん絶対ということはありませんが、リスクに備えておいて損はありません。我々個人投資家は無理なギャンブルはする必要ないしやるべきではありません。しっかりと資産を守っていくという姿勢が重要なのです。そのためにもしっかりと資産は分散させておくようにしましょう。