マクドナルド(MCD)は先月、配当を引き上げ、連続増配年数を46年に伸ばしました。46年という、とても長い年数増配を続けてきたことは称賛に値します。マクドナルドは日本でも非常に馴染み深い企業なので、知らない人はまずいないでしょう。日本だけでなく世界中に事業を展開しているので、知らない人を探すほうが大変かもしれません。そんな世界的企業について今日は見ていきたいと思います。
事業内容
マクドナルド(McDonald’s Corporation)はマクドナルドレストランの運営およびフランチャイズを行。【事業内容】レストランでは、地域に密着したメニューの食事と飲料を提供する。レストランは、独立した地元企業の経営者によって所有・運営される。セグメントは、米国、国際運営市場(IOM)、国際開発許可市場・企業(IDL)である。米国事業は、メニューや商品、デリバリーやデジタルプラットフォームに注力する。IOM事業は、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、スペイン、英国などの市場での事業が含まれる。IDL事業は、ラテンアメリカやアジアなどの市場での事業が含まれる。デジタルサービスには、ドライブスルー、テイクアウェイ、デリバリー、カーブサイドピックアップ、ダインインインなどがある。
引用:investing.comより
マクドナルドは日本でもおなじみのファーストフードチェーンを展開しています。そして世界中に事業は展開されていて、主要な国や地域でほぼ確実に、店舗を見つけることができるのではないでしょうか。ホームページで出店している地域を調べてみても、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジア海洋市場となっていて、世界中に展開していることがよくわかります。ちなみに、「中東には出店してないのかな?」と、ホームページを見たときに思ったんですが、なぜかサウジアラビアやイスラエルなどがアジアに入っていて、これはどういうことなのかな?と思いました。少ないからアジアに含めたという気もしますが、アフリカは4カ国しかないのにきちんと個別に書いてあります。中東に含まれそうな国は他にもクウェート、カタール、アラブ首長国連邦、レバノン、ヨルダン、トルコなど、たくさんあります。ここはちょっと面白いなと思いました。
通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
業績はここ数年緩やかな下降傾向にあります。日本ではここ数年は業績はいいというニュースを聞いていたと思ったんですが、世界ではそうでもなかったようです。世界中に展開しているのですべての国で上昇するというのはさすがに難しいのかもしれません。ただ、すべての国で下落するというのも難しいと思うので、一時的ならまだしも、数年にわたり業績が下降しているというのは少し心配になります。これからは新型コロナウィルスパンデミックも収束に向かうでしょうし、経済の復興とともに業績も改善してほしいものです。
株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
株価は2016年ころから順調に伸びてきています。去年の新型コロナウィルスパンデミックの影響もきちんとリカバリーしています。非常に理想的な株価推移を描いているようです。安定した事業を持ち、堅実に収益を増やしている企業と言っていいでしょう。そのようにマーケットも評価していることだと思います。今後もこの状態が続くことが期待されます。
セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
自社運営のレストランとフランチャイズチェーンが大部分を占め、若干フランチャイズの方が多いようです。我々がよく知っているマクドナルドのレストランの売り上げがほとんどで、その他の事業はやっていないみたいです。マクドナルドのブランド力は強力ですから、他の事業体に手を出す必要もないということでしょうか。一つのブランドに依存するということはそれなりにリスクもあるとは思いますが、それを跳ね返すだけの力がマクドナルドにはあるのでしょう。実際、ファーストフードといえば誰でもマクドナルドのことは思い出すでしょうし、この強いブランドを生かすために集中していることは正解なのかもしれません。
セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
なぜか業績推移のグラフが出てきませんでした。ちょうど決算時期なのでまだうまく反映できていないのかもしれません。後日、チャートが反映したら訂正しておきたいと思います。
年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
年間配当はきれいな右肩上がりのグラフを描いています。非常に美しい形で理想的です。こういう安定した配当を行っている企業というのはとても好感が持てます。投資対象としてぜひ検討したいところです。
配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
配当利回りは2.1%とあまり高くはないようです。このように安定して業績を伸ばしている企業は人気がありますから、株価は上昇しやすく、配当利回りも低下しやすいのでしょう。そこは仕方ないのかもしれません。配当性向については55.7%と、まだまだ資金面に余裕はありそうです。当分、安定した配当が期待できます。
PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
PERは最近までは高めで推移していましたが、今年に入って下落傾向で、今は平均的か、若干低下傾向にあります。そういう意味では投資のチャンスかもしれません。十分に検討する価値はあります。
貴族株指標
それではいつもの貴族株指標を見てみましょう。
- 増配年数 46年
- 配当利回り 1.96%
- 1年増配率 3.55%
- 3年増配率 6.19%
- 5年増配率 6.71%
- 10年増配率 5.87%
- 配当性向 39.38%
- PER 20.12
参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より
連続増配年数は46年と文句のない数字です。いわゆる「配当王」とよばれる連続増配年数50年まであと4年です。この数字を見ても、とても素晴らしい事業を持ち、株主還元をしっかりやる企業だということがわかります。配当利回りは2%未満と、若干物足りない数字です。先程も述べましたが、優良企業は投資家から常に物色の対象となりますから、株価も上がりやすいのでしょう。なので、配当が増えていっても利回りが低いのだと思います。増配率については少し低いかなという感じです。特にここ一年は、4%未満という低成長です。日本でもそうですが、ファーストフード業界というのは競争も激しいでしょうから、なかなか上げづらいのかもしれません。資金を配当よりも投資に回しているために配当が低いのならいいんですが、ここ最近の業績があまり良くないところを見ると、そうではない可能性もあります。投資する際はそこをきちんと見極めなければいけないでしょう。配当性向は40%未満なのでまだまだ資金には余裕があります。なので、すぐに配当がなくなる心配はないと思います。PERについては過去に比較して高いわけではないので、投資するタイミングとしては悪くありません。
まとめ
今回はマクドナルドについて見ていきました。日本、そして世界でも有名な大企業で、庶民に馴染みのある商売をしていますから、投資対象としてイメージしやすいのではないでしょうか。そういう意味でも、投資初心者にもおすすめできる企業だと思います。特に連続増配年数46年というのは非常に投資対象としてみたときに安心感があります。46年もあれば、不況もあったでしょうし、戦争もありました。そういうことがあっても増配してきたという歴史は投資対象としてふさわしい証拠となるのではないでしょうか。多少のことではびくともしない事業を持っているはずだからです。その他の数字も概ね良好だと思いますが、業績が若干伸び悩んでいることと、増配率が低く、低下傾向にあるところは懸念材料として残ります。このままずっと下落していくとは思いませんが、横ばい傾向が続くと配当にも影響が出てくるでしょうから、なんとか業績が上向くように頑張ってもらいたいものです。