下落が続く株式市場。しかし、こんな時だからこそ積極的に投資していきたいところ。

米国市場の下落が止まりません。先週も株価は下落し、これで8週連続の下落となりました。さすがにここまで連続で下げるとは思っていなかったので、少々驚きました。しかし、株価としてはまだまだ下落する余地は十分にあると思われます。もちろん一気に下落するということはないでしょう。ときどき上昇はするでしょうが、下落傾向というのは続いていく見込みです。そのくらい現在の株式市場は不安要素が多く、とても安心して株を買える状況ではありません。しかし、過去を振り返ってみるとそういう時こそ株に投資していた人こそが最終的には大きな利益を手にしていたことになります。そういう意味では恐れることなく投資を続けていくべきです。というわけで今日は最近の株価についてみていきたいと思います。

株式市場の下落が止まらない

先週は週間で934ドルの下げとなりました。これで8週連続の下落となり、米国市場がこれまでのような強気相場の影も形もない状態となっています。

20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、週間では934ドル(2.9%)安になった。8週連続の下落で、金融情報会社リフィニティブによると世界恐慌のさなかにあった1932年以来90年ぶりの連続下落記録となった。約40年ぶりの高インフレ抑制をめざす米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和から引き締め方向に急旋回し、景気の過度な冷え込みを警戒する投資家の売りが広がっている。

引用:日本経済新聞より

今回の下げは記事によれば90年ぶりの数字だそうです。それだけ現在の状態というのは非常に悪いと投資家に思われているということでしょう。確かに現在の状況を見ると非常に高いインフレ率に加えていつ終わるのかわからなくなった戦争など不確定要素があまりにも多すぎます。通常であればこのような時は金融当局や政治の手助け等を期待したいところですが、FRBはインフレを倒すことに集中しており、少々の景気後退はもう無視するでしょう。そのような発言は幾度となくされてきました。政治の方としても何とかしようとはしているとは思いますが、今のところ効果的な対策は打てていない状態です。特に今年は中間選挙も控えていますので、景気対策は重要だとは思いますが、ウクライナ戦争などの対処のため対応が追い付いていない印象です。そういう意味でも今の流れはこのまま続くことが見込まれ、景気後退局面に突入する可能性が日々高くなってきているという状況でしょう。

FRBが株価よりもインフレ退治優先

先ほども述べましたが、FRBは現在、インフレ退治に集中しています。

FRBは5月に続いて6、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の倍にあたる0.5%の利上げを実施する構えだ。パウエル議長は今週、2~3%とする景気を過熱させず冷やしもしない中立金利を超えて利上げすることも「必要ならまったくちゅうちょしない」と述べた。国債などの保有資産を減らす量的引き締めも6月に始め、インフレ退治を最優先課題に据える。

引用:日本経済新聞より

記事にもあるように、今月のFOMCでは0.5%の利上げを決定しました。通常行われる利上げの数字の倍の値であり、それだけFRBがインフレ率に厳しく対応しなければならないと思っている証拠であると思われます。そして今後もその流れは続いていく見込みです。パウエル議長をはじめ、連銀総裁等多くの関係者がこれからも早いペースでの利上げをすることを発言しています。また、資産圧縮についても行うことを明言しており、インフレ退治の手を緩めるどころかより厳しくしていく方針です。そのため株価の救済措置というのはとても期待できるものではなく、株式市場自身が自ら立て直していく必要があるのです。

企業業績にも暗雲が立ち込める

しかし、各企業の業績もこれまで好調とみられてきましたが、若干勢いを失いつつあります。小売大手のウォルマートやターゲットの予想外の悪い決算など株式市場に失望を与えるようなニュースも多くなってきました。とうとうインフレが企業業績にも影響を与えるようになっており、今後についてもあまり楽観できなくなってきています。このようにあらゆる面で今の株式市場には不安要素しかありません。政策での後押しも期待できませんし、企業業績についても今後は注意が必要でしょう。特に実物商品を扱っている企業は注意が必要です。商品価格の上昇の影響をもろに受けてしまう可能性があるためです。旅行などのサービス中心であればこれからの観光シーズンに向けて期待はできるでしょうが、小売りなどの実物商品を取り扱っている企業などは注意が必要でしょう。

まとめ

今日は先週の株式市場の動きから最近の下落続きの流れについてみてきました。はっきり言って今の株式市場にはマイナス要素しかありません。とても楽観できるものはないといっていいと思います。しかし、当たり前ですが、下落相場はいつか必ず終わります。そして、株価の底というのは誰もがこのように悲観し、この世の終わりのような雰囲気に満たされるときに形成されるのです。その時に果敢に投資してきたものだけが最高の利益を手にいれることができるのです。そういう意味ではこんな時こそ投資の手を緩めることをせず、積極的に動いていくべきだと思います。