スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは世界最大手の電動工具メーカーです。そして、連続増配年数54年を誇る貴族株、さらに配当王にも該当します。今年も7月に配当を12.9%増配をしており、今なお順調に配当年数を増やし続けています。過去の実績だけを見れば、非常に優秀な企業であることはよくわかります。そんなスタンレー・ブラック・アンド・デッカーについて今日は見ていきたいと思います。
事業内容
スタンレー・ブラック・アンド・デッカー(Stanley Black & Decker Inc)は手工具、電動工具および関連アクセサリ、設計された固定システムおよび製品、石油およびガス用のサービスおよび機器、インフラストラクチャアプリケーション、商用電子セキュリティおよび監視システム、ヘルスケアソリューション、および自動ドアを提供するグローバルなプロバイダーである。【事業内容】事業セグメントには、ツールとストレージ、セキュリティ及び産業が含まれる。ツールとストレージ事業は、電動工具および機器、ハンドツール、アクセサリおよびストレージ(HTAS)事業で構成される。セキュリティ事業は、コンバージェント・セキュリティ・ソリューション事業と機械アクセス・ソリューション事業を含む。産業事業は、エンジニアリング締結及びインフラ事業で構成される。「SIDCHROME」、「BLACK+DECKER」、「AeroScout」、「Powers」、「D EWALT」、「FLEXVOLT」、「IRWIN」、「LENOX」、「LISTA」、「CRAFTSMAN」、「PROTO」、「MAC TOOLS」、「BLACK+DECKER」、「Vidmar」、「SONITROL」、「GQ」、「PORTER-CABLE」、「BOSTITCH」などのブランドを提供する。
引用:investing.comより
スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは1843年、フレデリックスタンリーによりボルトとヒンジを製造する小さな工場として、コネチカット州ニューブリテンに創業しました。そして現在に至るまで178年もの間、堅実な仕事により、多くのブランドと信頼を勝ち取ってきました。同社は個人ユーザーからプロフェッショナルまで、あらゆる顧客のニーズを満たす製品を販売しています。そして常に革新を続け、近年では電動工具の多様化と、ガス駆動の芝刈り機などの電動化を進めています。多くの収益はこのような電動工具関連の商品によりますが、自動車産業やパイプライン建設などの産業セグメント、自動ドアやセキュリティシステムを製造するセキュリティセグメントなど多種多様な分野へも進出しています。
通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
業績は右肩上がりのグラフを描いています。上昇の幅はまちまちですが、基本的には毎年業績を上昇させてきているとみていいともいます。投資対象としては非常に理想的です。
株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
株価は長期的に見れば右肩上がりのグラフを描いていて、問題はないでしょう。去年は新型コロナウィルスパンデミックの影響で大きく落ち込みましたが、すでの以前の水準を回復しています。最近はやや下落傾向でしたが、直近では下げ止まりの気配を示しています。
セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
先ほども述べましたが、電動工具関係の売り上げが約70%ほどを占めています。スタンレー・ブラック・アンド・デッカー社にとっての大きな収入源は変わりないようです。産業用とセキュリティ分野についても、無視できるような小さいものではありません。順調に利益に貢献する事業に成長してきています。
セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
セキュリティ事業はやや伸び悩んでいるようです。しかし、その他の分野は順調に伸びています。特に電動工具関連の伸びはとてもすごいです。現在の業績が好調なのもこの分野での成長が大きく貢献しています。
年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
配当は順調に伸びてきています。さすが配当王といったところでしょうか。特に今年は例年よりも大きな上昇になっています。
配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
配当利回りは1.6%と平均的な数字です。特別低いというわけではないですが、高くもありません。高配当を求める投資家には少し物足りないでしょう。配当性向は25%と十分安全圏です。しばらく配当についての心配はいらないと思います。
PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより
貴族株指標
- 増配年数 54年
- 配当利回り 1.80%
- 1年増配率 2.96%
- 3年増配率 4.73%
- 5年増配率 5.37%
- 10年増配率 7.57%
- 配当性向 28.42%
- PER 15.77
参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より
連続増配年数54年はいわゆる配当王に分類されます。半世紀以上もの間、配当を増やし続けてきた実績は、スタンレー・ブラック・アンド・デッカーが素晴らしい企業であることの証明です。配当利回りは非常に平均的です。配当狙いでの投資はしづらいかもしれません。増配率は10年で見ると8%弱とまずまずかなとは思いますが、最近はやや増配率が低下傾向にありました。しかし、今年は12.9%の増配となっており、業績が好調であることがうかがえます。配当性向も30%弱とまだまだ資金に余裕があります。しばらくはキャッシュフローの問題はないでしょう。PERは15.77倍と過去と比較しても非常に低くなっています。投資するには絶好のタイミングかもしれません。
まとめ
今日はスタンレー・ブラック・アンド・デッカーについてみていきました。連続増配年数54年というのは素晴らしいの一言です。業績も好調で、今年の配当は12.9%の増配と投資対象としてはとても魅力的です。注意点としては、同社は自社株買いに積極的でしたが、最近、買収資金確保のため、新たな株式を発行しています。それと主力の電動工具はその多くが家庭用の商品のため、景気の動向には敏感です。よって今後の景気次第では大きく収益が悪化する可能性があります。しかし、長年積み重ねられてきて実績を考えれば、短期的な下落はあるかもしれませんが、長期的に見れば十分利益を上げられることでしょう。