利下げは年内には行われない可能性についても指摘される

今後の利下げについては強い雇用統計など経済指標の結果によってかなり後退しています。専門家からもその指摘は多く出てきており、その可能性は十分にあるのでしょう。また、当局からも慎重論が多数

でており、利下げ後退の可能性はもう無視できるものではなくなってきています。その中において、利下げ時機能後退ではなく、利下げが行われない可能性についても述べられるようになってきました。

年内の利下げが見送られる?

アトランタ連銀のボスティック総裁はインタビューにて以下のような発言をしています。

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は9日、インフレの進展が鈍化し、経済がアウトパフォームし続ければ、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利下げを行わない可能性があるとの見方を示した。

ヤフー・ファイナンスとのインタビューで「米経済が非常に好調で、力強く、レジリエンス(回復力)があることを考慮すると、利下げがさらに先送りされる可能性も否定できない」と述べた。

ボスティック総裁は以前、今年の利下げは第4・四半期に1回と予想していた。

引用:ロイターより

このようにボスティック総裁は述べ、今年の利下げについて行わない可能性もあることに言及しました。ボスティック総裁はこれまでは秋頃に一回程度の利下げが行われるという認識を示していましたが、それが難しくなる可能性があることを示しています。利下げの時期について強い経済指標を受けて厳しい指摘をする声が多くなっていますが、年内の利下げ見送りについて明確に言及したのはおそらく初めてなのではないかと思います。いずれにせよ、当局からもこれだけ明確な利下げ見送り発言が出てくるということはそれだけ現在のインフレが厳しいことを示しており、今後の展開もそう簡単なものではないことを示しているのでしょう。

利下げはいつになるのか

強い雇用統計の結果を受けて、今週は相次いで利下げについて言及する当局の人や専門家の意見を見てきましたが、利下げが行われないと明確にしたのは初めてのような気がします。もちろんそのニュアンスなどについては人によって捉え方はそれぞれだと思うので、細かいことを言うつもりはありませんが、少なくともボスティック総裁の発言については確実に後退していることは事実ですし、ほとんどの人はこれまでの発言を厳しく修正しています。そういう意味でも利下げというのはかなり厳しくなってきたのだと思いますし、ボスティック総裁の言うように年内に全く利下げが行われない可能性も現在の強い経済状況を見る限り、ないこともないのだろうという感じがします。なのでそのことをしっかり頭に入れて市場を見ていく必要があるのだと思います。

まとめ

今日は今後の金融政策について考えてきました。利下げはやはり当初考えられているよりも小規模かつ時期が後ろにずれるという結論になりそうです。そして最悪利下げが行われない可能性について言及され始めたということは非常に重要なことでしょう。実際、2024年はまだまだ残されていますので、年末までのことを予想するのはかなり難しい状況ですが、そうなることもしっかり考慮しておく必要があるということです。