早くも利下げ予想の修正がされ始める

強い雇用統計の結果を受けて、インフレ抑制の難しさを痛感したところですが、今後の金融政策の見通しについても見直しが行われ始めました。多くの専門家が利下げ開始時期の後退を発表しており、従来の6月の利下げについてはかなり厳しい見通しになってきたのかなという感じです。

利下げ予想の修正

先日、JPモルガン・チェースから今後の利下げの見通しについての発表がありました。

米JPモルガン・チェースのエコノミストらは、3月の米雇用統計が強い内容だったことを受け、米利下げ開始時期に関する予想を修正した。これまでは6月の利下げ開始を見込んでいたが、現在は7月の開始を予想している。

  チーフエコノミストのマイケル・フェローリ氏は5日付のリポートで「堅調な雇用増加とともに賃金インフレが緩和している状況は、労働市場において供給サイドが改善していることの証だ」と指摘。「供給サイドの望ましい展開は、見通しに関するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の明るい認識と一致する一方、需要サイドに亀裂は生じていないもようで、政策緩和の緊急性は低下していると考えられる」と続けた。

  JPモルガンは、今年3回の利下げがあるとなお予想。初回は7月で、その後は経済予測が公表される9月と12月になるとみている。

引用:bloombergより

このようにJPモルガンでは、利下げ開始について6月としていたものを7月に変更しています。最近の強い経済指標によって、金融政策の見通しが再び変更を余儀なくされてきています。このような発表はJPモルガン以外でも起こっており、今後もその流れは続いていくことでしょう。もちろん全ては今後の経済指標次第であり、どうなるかはわかりませんが、少なくともこれまで期待していたような楽観的なシナリオというのは厳しくなってきたような気がします。

利下げはかなりの小規模になりそう

早速というか当たり前というか、今後の金利の見通しについての変更がなされ始めています。今回はJPモルガンについてですが、これ以外にもいくつかの機関で利下げ予想の修正がされ始めました。これだけインフレが強いということを示されているのであれば当然といえば当然ですが、またもや市場の期待はは裏切られた形になります。当初は3月にも利下げが開始され、年内に4回、5回と利下げが行われるのではないかという予想もされたりしていましたが、そんなものは全くの期待はずれだったことになります。実際にはおそらく多くても年内に2回程度なのかなという感じですし、更に少なくなっても驚きはないような気がします。サマーズ氏が言うような再利上げのようなことは流石にないと思いますが、しばらくは金利は高く維持され続け、利下げの規模はかなり小さいものとなるのでしょう。そういう意味ではかなりの修正が必要な状況なのかなという感じがします。

まとめ

今日は利下げ予想の修正について見てきました。もともと楽観的すぎる予想だったのでそうなるだろうとは思っていましたが、やはりそうなったなという感じです。おそらくは今後のこのようなことを続け、年内の利下げというのは想像以上に小さい規模のものになるのでしょう。そういう意味ではドルはかなり強さを維持されたままになるのかなという感じです。そういう意味ではしばらく状況は変化しないのだろうという感じがします。