ターゲットは今年大注目の企業

ターゲットはウォルマートやコストコなどと同様に、米国で事業を展開する総合小売チェーンです。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、米国では非常に有名な企業です。そのターゲットですが、増配年数は54年と非常に長きに渡り、配当を増やしてきた歴史があります。そして、今年の6月には配当を32.4%というとても大きな幅での増配を発表しました。最近は非常に積極的に事業展開も行っており、最も注目される企業の一つでしょう。そういうわけで、今日はターゲットについて見ていきたいと思います。

事業内容

ターゲット(Target Corp)は、店舗やデジタルチャネルを通じて商品を販売する総合商品小売業者である。【事業内容】雑貨店では、生鮮食品、乾物、乳製品、冷凍食品など、編集された食品の品揃えを提供する。デジタルチャネルには、店で見つけた多くのアイテムを含むさまざまな商品の品揃えと、補完的な品揃えが含まれる。雑貨や食品の品揃えを販売する。フォーマットストアは、厳選された雑貨や食品の品揃えを提供する。アパレル、アクセサリー、室内装飾、電子機器、おもちゃ、季節商品、食品など、さまざまな商品カテゴリで在庫を管理する。都市市場や大学のキャンパスでフォーマットストアを含むストアを運営する。製品カテゴリには、アパレルとアクセサリー、美容と家庭用品、食品と飲料、ハードライン、家具と装飾が含まれる。

引用:investing.comより

ターゲットはウォルマート、コストコ、アマゾンなど業者と競合する、米国最大の総合商品小売チェーンの1つです。同社はどちらかというと、より高品質を求める顧客に的を絞って事業を行っています。収益は、アパレルとアクセサリー、美容と家庭用品、食品と飲料、ハードライン、家具と装飾に分けられます。美容と家庭用品は、同社の最大の売上を締めており、食品と飲料がそれに続きます。ターゲットの業績は2014年にブライアン・コーネル氏がCEOとなって以降、大きく改善してきています。店舗の改装やeコマース分野の改革など積極的な経営でライバルであるアマゾンやウォルマートよりも優位な地位を獲得しています。また、自社株買いにも積極的で、過去10年で発行済み株式数の約26%を削減しています。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

売上高は概ね右肩上がりの成長を続けています。営業利益については大きく変動しているようです。去年は新型コロナウィルスの影響もあってか売上高が大きく伸びました。パンデミックの最中も、感染対策をしっかりした上で営業を続けた結果、売上は伸びたようです。オンラインの売上も145%もの増加をしています。店舗、オンラインともに順調に成長しています。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

チャートは去年から力強い上昇をしています。日本でもそうですが、パンデミックの影響は小売業にはプラスに働いているようです。市場は素直に評価しています。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

概ねまんべんなく売上を上げているような感じです。やはり、美容や家庭用品の売上が大きいようです。美容関係は高価格帯の商品も多くあり、収益に貢献しやすいのではないかと思います。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

概ねどの分野も上昇か、悪くても横ばいです。下落しているところはないのでいい傾向じゃないでしょうか。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当は緩やかに上昇してきましたが、去年は大きく上昇しています。やはり、業績が大きく伸びたことが要因でしょう。それをすぐに株主に還元するという姿勢は評価したいです。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは1.2%とあまり高くはありません。しかし、今年は大きく配当を増配したので、もう少し良くなっているかもしれません。配当性向は21.7%と全く問題ありません。しばらく配当には困らないでしょうし、新たな自社株買いも期待できるかもしれません。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは過去と比べて若干高めでしょうか。去年から少し買われている感じがします。パンデミック下での業績が好調なことが、投資家から評価されているのでしょう。しかし、やや買われすぎな感じがします。最近は少し落ち着いてきているので、投資タイミングとしては少し待ったほうがいいかもしれません。

貴族株指標

  • 増配年数 54年
  • 配当利回り 1.57%
  • 1年増配率 3.08%
  • 3年増配率 3.18%
  • 5年増配率 4.41%
  • 10年増配率 12.30%
  • 配当性向 28.69%
  • PER 18.22

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

連続増配年数54年は素晴らしいの一言です。半世紀以上増配を続けるというのはなかなかできるものではありません。米国でも、いわゆる配当王と呼ばれる連続増配年数50年以上は本当にひと握りしかありません。非常に優秀な企業であると言っていいと思います。配当利回り1.57%はそこまで高くはないですが、平均的という感じです。最近の株価を見ても大きな上昇をしていますから、配当狙いというよりは、株価上昇を狙っての投資のほうがいいかもしれません。増配率は、最近は3%強とあまり大きくはありません。しかし、今年は30%以上の増配をしていますので、今後はより状況が改善されることが期待されます。配当性向も30%未満と非常に安全圏です。しばらくは配当についての心配はないでしょう。PERはそこまで高くはないですが、過去と比較すると若干高めです。業績自体は安定してますし、これからも成長する可能性も大いにあるので、投資してもいいとは思います。しかし、慎重な判断は必要でしょう。

まとめ

今日はターゲットについて見てきました。連続増配年数も長く、実績は十分です。そして、最近は実店舗やオンラインなど非常に積極的に改革を進め、結果を出してきています。マーケットからも好評で、それが株価にも現れています。そういう意味でもターゲットは、今年非常に注目されている企業の一つです。若干株価は高めですが、最近は落ち着いてきたので、投資を考えてもいいかもしれません。配当利回りはあまり高くはありませんが、株価上昇は十分狙えるでしょう。投資対象として是非検討していきたい銘柄です。