米国はリセッション不可避か?

米国景気の悪化はますます深刻化しているようです。先日発表された経済指標は3か月連続での縮小をしており、事態は一層厳しくなってきています。ある程度予想できてはいたと思われますが、FRBにとって良いニュースではないことは確かです。今後の金融政策にも影響があるかもしれません。そういうわけで今日は今後の米国経済について考えていきます。

ニューヨーク連銀製造業景況指数は3か月連続での縮小

先日発表された先日発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は3か月連続での縮小となり、景気の悪化がより鮮明になってきたと思われます。

10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は3カ月連続で活動縮小を示した。また、2023年初期の業況について悲観を強めた製造業者の比率が拡大した。

  新規受注の指数は3.7と前月から変わらずで、緩慢な伸びを示唆した。出荷の指数は約20ポイント低下して、マイナス0.3となった。雇用者数の指数は雇用の小幅な増加を示唆した。

  6カ月先の景況指数は10ポイント下げてマイナス1.8と、2009年以降で2番目の低水準。回答者の36%近くが全般的な業況は今後6カ月に悪化するとの見通しを示した。

  仕入れ価格指数は6月以来の上昇。原油価格の持ち直しに沿う格好となった。販売価格は前月からほぼ変わらずながらも、新型コロナウイルス禍前の水準を引き続き大きく上回っている。

引用:Bloombergより

このように製造業の現場では景気の悪化が非常に進行しており、より厳しさが増してきています。これはその他の経済指標の傾向とも一致しており、米国経済がかなり厳しい状況に陥っていることを裏付けるものともなるでしょう。その中でも雇用者数はわずかながら増加しているということはまだ何とか雇用は守られているという意味ではいい傾向かもしれません。しかし、そうであるならばFRBにとっては引き締めを継続するための良い材料ともなりえるため、何とも言えないといったところかもしれません。

リセッションの確率は100%?

このような悪い経済指標の発表が相次ぐ中、一年以内にリセッションに陥る確率が100%という衝撃的な発表がありました。

米経済が向こう1年間にリセッション(景気後退)に陥るのは事実上確実となったことが、ブルームバーグ・エコノミクスの予測モデルで示された。11月の中間選挙を控えたバイデン米大統領に経済面で打撃となり得る。

  エコノミストのアナ・ウォン、イライザ・ウィンガー両氏が最新の予測モデルでリセッション確率をはじき出したところ、2023年10月まで(向こう1年間)に景気が落ち込む確率は100%となった。前回の分析では65%だった。

  ブルームバーグ・エコノミクスの予測モデルはマクロ経済と金融に関する13の指標を用い、1カ月から2年の期間におけるリセッションの確率を予想する。

  このモデルでは向こう1年間のリセッション確率が100%に達しただけでなく、もっと短い期間の確率も上昇した。11カ月以内の確率は73%と、前回分析の30%から上昇。10カ月以内の確率は前回ゼロだったのが、25%に上がった。

  見通しを悪化させたのは、モデルに用いられた経済・金融の指標で幅広い悪化がみられたためだと、ブルームバーグ・エコノミクスは指摘している。

引用:Bloombergより

100%というのは何とも衝撃的な数値です。どうあがいても逃れられないというのですから全く困ったものです。もちろん、あくまで予想であり絶対というわけではありません。外れる可能性も十分にあるでしょう。しかし、各種経済指標の数値や実感として肌で感じる感覚などを考えても、今後に順風満帆な明るい未来が待っているというのはどうにも考えづらいというのも事実です。そういう意味ではおそらくはこの予想は当たるのだろうと思います。現状、何とか保っている米国経済ですが、そう遠くない時期にリセッションに陥ることになるのでしょう。実際、来年の経済成長予想では米国はなんと日本よりも低い予想となっています。日本よりも低い成長率というのははっきり言ってやばいというしかないでしょう。なので今後しばらくは相当米国経済は落ち込むのかもしれません。それは予想していたものよりも大きくなる可能性が出てきたのかなという印象です。

まとめ

今日は今後の米国経済について考えてきました。正直言って先行きは全く明るくありません。何をどうやっても暗い話しか出てこないという感じです。なので本当につらいことになりそうですが、私は投資をやめるつもりはありません。何度も言ってきましたが、過去にも何度もこのようなことはありました。そのたびに経済は回復し、右肩上がりの成長を続けてきたのです。なので今回も必ず復活してくれると私は信じています。というよりもそうでないと資本主義というのは成り立ちません。なので成長しなければならないし、そうなれば株価も必ず上昇するはずです。今のような誰もが悲観的なことをいうときこそが絶好のチャンスであったということは歴史が証明しています。なので安易に撤退しない方がいいと思いますし、そうした人だけが成功を勝ち取れるのでしょう。