ボーイングが赤字決算。世界経済の成長見通しも下方修正。

投資家にとって日々悪いニュースばかりが発表されていますが、今日もその流れは変わりません。今日も航空機大手のボーイングが赤字決算を発表したかと思えば、国連は今年の成長予想を下方修正しました。ある程度予想されていたこととはいえ、目の前にそれを突きつけられるとやはり気分の良いものではありません。市場はまだ楽観的な空気を残してはいますが、それが剥がれ落ちるのは時間の問題なのかなという感じです。

ボーイング社が赤字決算

日本でもおなじみのボーイング社の決算発表があり、残念ながら赤字決算となってしまったようです。

航空機・防衛大手の米ボーイングは2022年を四半期赤字で締めくくった。年終盤にはジェット機納入数が増加し手元資金を押し上げたが、コスト高が業績回復を鈍らせた。

  25日の同社発表によると、10-12月(第4四半期)の調整後1株当たり損益は1.75ドルの赤字。売上高は約200億ドル(約2兆6000億円)と、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均とほぼ一致した。

  ボーイングが急増する航空需要を最大限に生かすには、設備稼働率を回復させる必要があり、今回の決算はそのための課題が残されていることを浮き彫りにした。ドル箱である737ーMAXの運航停止や新型コロナウイルス対応でここ数年は苦しい時期が続いていたが、最近になって回復の兆しが見られるようになっている。

  ボーイングの株価は下落。ニューヨーク時間午前8時22分現在の電子取引で2.3%下げている。年初から24日までに11%上昇していた。

引用:Bloombergより

このようにボーイング社も他社と同様にさえない決算となってしまいました。最近はコロナ後の旺盛な需要によって業績回復を期待する向きもありましたが、コスト高が大きく業績を下押ししたようです。ボーイング社に限らず、どこもコスト高には苦しんでいます。そういう意味ではボーイング社嵩の問題ではありませんが、やはりインフレというのは厳しいなという印象を持ちます。

今年の成長見通しを下方修正

そして国連も最近の厳しい経済状況を反映してか、ことしの成長見通しを下方修正しています。

国連が25日に発表した「世界経済状況・予測(WESP)」によると、世界経済の成長率は2023年に1.9%と22年の3%(推定)から鈍化する見通し。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やロシアによるウクライナでの戦争、高インフレ、気候危機などが要因という。

今年の成長率はここ数十年間で最も低い成長率の一つになる見込み。「予想通り、来年にいくつかのマクロ経済的逆風が収まり始めれば、世界の成長率は2024年に2.7%まで緩やかに持ち直すと予想されるが、経済、金融、地政学、環境など無数のリスクが存在するため、短期的な経済見通しはなお非常に不透明だ」とした。

また、米欧など先進国経済の成長鈍化が世界経済に悪影響を及ぼすと指摘。米国内総生産(GDP)成長率は22年の推定1.8%から23年には0.4%に、欧州連合(EU)は同3.3%から0.2%に鈍化すると見込んだ。

中国の経済成長率は22年の推定3%から今年は4.8%に加速する見通し。「ゼロコロナ」政策の解除や緩和的な金融・財政政策への着手が背景だが、「経済再開はスムーズにいかないことが予想され、成長率はパンデミック前の6─6.5%を大幅に下回る状態が続く」とした。

引用:ロイターより

まあ、大体予想はしていましたが今年は厳しいものとなるということです。以前よりそのような話は各所からでていましたが、ややマーケットはそれでも楽観的な空気が多く支配しているように思います。しかし、それは間違っているということでしょう。米国経済はこれから非常に厳しい予想がされていますし、欧州や中国などもあまりよい先行きは見えません。そういう意味ではこの予想でさえもまだ甘いといえるのかもしれません。

厳しい状況が続くけどあきらめてはいけない

日々、暗くなるような話題ばかりですが仕方ありません。なにせこれが現実です。米国経済は労働市場が何とか保っているのでまだましかもしれませんが、先行きは非常に不透明です。その他の世界各国もひどい状況には変わりなく、ことしのマーケットは本当に厳しいものとなるのだろうという感じです。なんか毎日こんなこと言っているような気がしますが事実なので仕方がないといったところでしょう。しかし、だからといって投資をあきらめる必要はないと思います。このような誰もが悲観的になっている時こそが投資の大チャンスなのです。過去を見ても株価が底を付けるときというのは現在のような誰もが株式に対して距離を置き、将来を悲観していたときです。そしてそういう時にこそ投資を続けていた人だけが、のちに訪れる上昇局面でより大きな果実を手にいれることができたのです。そういう意味でも辛いかもしれませんが、投資をあきらめてはいけないと思います。継続は力なりです。

まとめ

今日は、というか今日も非常に悲観的なニュースについてみてきました。おそらくは今後もこのような悲観的な話ばかりが続いていくでしょう。おそらくは投資をあきらめてしまう人も出てくるかもしれません。しかし、こういう時にこそ投資を続けた人だけがのちに大きな資産を築くことができるのです。なので決してあきらめてはいけないと思います。当然、私はこれからも投資を続けるつもりです。むしろ株価が低迷している今こそが最大のチャンスなんだと自覚すべきでしょう。短期的には厳しくても長期的に見ればあまり大きな問題ではないということを認識しておいた方がいいです。