トンプキンズ・ファイナンシャルが増配を発表。連続増配年数を35年とする。

10月22日、トンプキンズ・ファイナンシャルは、取締役会が2021年11月15日に支払われる1株あたり0.57ドルの定期的な四半期配当を、2021年11月2日に登録されている普通株主に支払うことを承認したと発表しました。 これは2021年の第3四半期に支払われた配当を5.6%上回っています。これにより同社は連続増配年数を35年に伸ばしたことになります。非常に小さな地方金融機関ですが、着実に成長し、株主にきちんと還元している優良企業のようです。そこで今日はトンプキンズ・ファイナンシャルについてみていきたいと思います。

事業内容

トンプキンス・ファイナンシャル(Tompkins Financial Corporation)は金融持株会社である。【事業内容】同社は商業・消費者バンキング、リース、信託と投資管理、財務計画と資産管理、保険と仲介サービスを含む製品・サービスを提供するコミュニティベースの金融サービス会社である。同社は銀行、保険及び資産管理という3つの事業を運営する。同社はTompkins Insurance Agencies, Inc.を通じて損害保険サービスと従業員給付コンサルティングを提供する。資産管理事業は「Tompkins Financial Advisors」というブランドで組織される。

引用:investing.comより

トンプキンズ・ファイナンシャルはニューヨーク州の中央、西部、ハドソンバレー地域、およびペンシルベニア州の南東部地域でサービスを展開する金融持株会社です。ニューヨーク州イサカに本社を置き、様々な子会社を通じてウェルスマネジメントサービスを提供しています。トンプキンズ・ファイナンシャルは1836年に設立され、185年以上にわたりサービスを提供してきました。主に銀行、保険、資産管理の3つのセグメントにより業務は分かれています。同社は、2007年ごろから始まったいわゆるサブプライムローンによる金融危機の際、サブプライム住宅ローンを発行しなかったこと、またはサブプライムローンに裏打ちされた証券に投資しなかったことで賞賛されています。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

売上高は非常に順調に伸びています。10年以上、前年の業績を割ることなくきれいに右肩上がりのグラフを描いています。小さな金融機関ですが、とても優れたビジネスモデルを持っている企業のようです。投資家として非常に安心して投資できるでしょう。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

株価はあまり上昇していません。小さな銘柄ですのであまり投資家の注目を集めていないのかもしれませんが、業績を見る限り、もう少し評価されてもいいんじゃないのかなとは思います。株価だけを見ると投資するチャンスにも見えますが、業績がよくても株価が上がらないのであれば、なかなか投資する気になりづらいのかなと思いました。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

トンプキンズ・ファイナンシャルは主に3つのセグメントに分かれているといいましたが、利益の多くは銀行部門によるもののようです。しかし、保険部門が0%というのはさすがにおかしいのではないかと思います。2019年から売り上げが0となっており、ほとんど活動していないのでしょうか。しかし、その前についても売り上げは非常に低く、同社の利益にはもともとあまり貢献していなかったのかもしれません。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

先ほども言った通り、多くの利益を銀行セグメントにより上げていることが分かります。業績も緩やかに上下動を繰り返しながら上がっている感じがします。しかし、ここまで銀行セグメント以外が弱いのであれば、他を売却して、得意分野に特化した方がいいような気はしますが、どうなんでしょうか。さすがに現地調査まではできないのでなかなか難しいですが、少し気になるところではあります。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当は順調に伸びています。20年が落ち込んでいますが、計算方法がおかしいのかもしれませんが、配当が減らされているわけではありません。実際の配当履歴を見れば、きちんと減配されることなく実施されてきたことが分かります。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは2.6%とまずまずではないでしょうか。高配当というわけではありませんが、低すぎるということもないと思います。配当性向についても25%と全く問題はありません。資金面でも十分余裕があり、しばらく配当の心配をする必要はなさそうです。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは過去と比較して明らかに低水準にあります。業績も好調のようですし、この先に不安がなければ絶好の投資タイミングかもしれません。積極的に検討してもいいでしょう。

貴族株指標

  • 増配年数 34年→35年
  • 配当利回り 2.67%
  • 1年増配率 3.96%
  • 3年増配率 4.89%
  • 5年増配率 4.32%
  • 10年増配率 4.68%
  • 配当性向 33.23%
  • PER 12.45

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

連続増配年数34年は非常に立派な数字です。小さな金融機関がこれだけ長い間、配当を増やし続けてきたというのは称賛に値します。業績も順調のようですし、今後も増配年数の伸びに期待できるでしょう。配当利回りは可もなく不可もなくという感じです。配当狙いに行くには若干物足りない気はします。が、悪くはないです。増配率は非常に安定してますが、大きく上昇しているというわけではないようです。配当性向も33.23%と十分余裕があります。しばらく資金面での心配はいらないでしょう。しかし、そうであればもう少し、配当を増やしてもらえないかなとは思います。PERは過去と比べても非常に低いです。投資タイミングとしては十分検討の余地はあります。

まとめ

今日は、トンプキンズ・ファイナンシャルについてみてきました。地方の小さな金融機関ですが、着実に成長してきた企業だということがよくわかります。しかも、サブプライムローン問題の時には、その問題性に気づいていたのかどうかわかりませんが、一切かかわらなかったというのはすごいと思いました。あの当時は大手金融機関までがサブプライムローンによって大きな打撃を受けました。それを回避できたというのは並大抵のことではないです。非常に優秀な経営陣がいるのは間違いないでしょう。そういう意味でも、投資対象として十分ふさわしい企業だと思います。小さい金融機関のせいか、あまり注目されず、株価もあまり上昇していませんが、安定的な運用を約束してくれる良い銘柄でしょう。