4月の米国消費者物価指数は伸びは鈍化するも以前高止まり。

11日に市場が注目していた4月の米国消費者物価指数が発表されました。伸びは鈍化傾向にあるものの、依然として高い水準でありインフレがいまだ落ち着いていないことが確認されました。そのため今後もFRBは強力にインフレ抑制に動いていくものと思われます。そういうわけで今日は先日発表された4月の米国の消費者物価指数についてみていきたいと思います。

4月の消費者物価は依然高止まり

11日に米労働省より発表された4月の消費者物価指数は以下のようになります。

  • 総合CPIは前年同月比8.3%上昇-前月は8.5%上昇
  • ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は8.1%上昇
  • 前月比では0.3%上昇(市場予想は0.2%上昇)
  • 変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比6.2%上昇-前月は6.5%上昇
  • 予想中央値は6%上昇
  • 前月比では0.6%上昇
  • 市場予想の全てを上回る(予想中央値は0.4%上昇)

引用:Bloombergより

消費者物価の伸びはやや鈍化の傾向がみられ、ピークを迎えつつあるようにも見えますが、まだ上昇は続いており、そのあたりの判断はやや難しいといった印象です。ただ、上昇傾向が鈍化しているといってもいまだに上昇が続いていることには変わりなく、まだ緩やかに上昇を続ける可能性も十分にあるでしょう。仮に今がピークだったとしても、インフレが急速に落ち着いていくという可能性はあまり考えられないのではないかと思います。おそらくはゆっくりと数年単位での時間経過をもって落ち着いていくのではないかとみられます。そのくらいインフレは厳しいものだということが確認されたのではないでしょうか。今回の発表でもほとんどの数値で事前予想を上回っており、このインフレとの戦いは長期戦になることが見て取れそうです。

ドルは売られる

この発表を受けて為替市場ではドルが売られました。インフレが高止まりしている可能性が示されましたが、今後予想以上にFRBが金融引き締めを強くする可能性は低いとみられたようです。実際FRB理事そのような発言が出ています。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は11日、朝方発表された4月の米消費者物価指数(CPI)統計が「ホット」な内容だったとしつつも、連邦準備理事会(FRB)が75ベーシスポイント(bp)の利上げを余儀なくされるほどではないという認識を示した。ブラード総裁はヤフー・ファイナンスに対し、FRBが示す50bp利上げの方針が「現時点で良好な指標」とし、大幅利上げは「私の基本シナリオではない。FRBには適切な計画があると考える」と語った。

引用:ロイターより

今後についてはどのようになるのかわかりませんが、今のところはより強力な金融引き締めというのはなさそうな感じです。次回のFOMCでも0.75%の利上げの可能性はとりあえず低いといっていいのではないかと思います。もちろん今後の状況次第でどうにでもなるとは思いますが、株式市場にとってはいいニュースなのではないでしょうか。

まとめ

今日は先日発表された米国の消費者物価指数についてみてきました。依然として消費者物価の伸びは高止まりしているようです。味方によってはピークに達したようにも見えるかもしれませんが、何とも言えません。いずれにせよ、インフレが落ち着きを取り戻し、経済が正常な状態に戻るのはまだまだ先のようです。少なくとも今年中にインフレが収まり、以前のような環境に戻るということはないような気がします。そういう意味ではしばらく神経質な展開が続いていくのでしょう。投資家としては非常に厳しい年になりそうですが、こういう時でも慌てず、ぶれずに投資を続けていくことが大切だと思います。