6月のFOMC議事録が公開される

7日に6月に行われたFOMC議事録が公開されました。内容としてはインフレに対する厳しい見方がされており、今後も強い姿勢で臨んでいくことを示唆するものであったと思います。ただ、そのリスクについてもきちんと考慮されており、状況によっては柔軟に対応するであろうことはうかがえたのではないのかなと思います。そういうわけで今日は先日公開されたFOMC議事録についてみていきます。

6月のFOMC議事録が公開される

7日に6月に行われたFOMC議事録が公開されました。インフレの先行きが非常に不透明な中、FRBの金融政策の行方が非常に注目されていることもあり、特に興味を持たれているものと思われます。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月14-15両日に開いた会合では、高インフレが根付かないようにするには、経済成長の減速を伴うとしても、政策金利をより長期にわたって引き上げ続ける必要性があり得るとの認識で一致した。

  当局者らはまた、7月の会合において政策金利を50ないし75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げることを支持。インフレのコントロールを巡る金融当局の信認維持は極めて重要だと考えていることが、6日公表された議事要旨で明らかになった。

  議事要旨では「現在FOMCが直面する著しいリスクは、必要に応じて政策スタンスを調整するというFOMCの決意に対して国民が疑問を抱き始めた場合に、高インフレが定着しかねないということだと、多くの参加者が判断した」と記された。

  当局者らはまた、「政策引き締めは経済成長ペースを一時的に減速させ得るが、最大限の雇用を持続的なベースで達成するためには2%へのインフレ率回帰が極めて重要」との見解を示した。

  その上で、「高いインフレ圧力が続くようであれば、さらに抑制的なスタンスが適切となり得るとの認識を示した」と記述。「インフレ期待が固定されなくなった場合、インフレ率をFOMCの目標に再び引き下げる上でより多くの代償が必要になる」と指摘した。

引用:Bloombergより

このようにFRBはインフレに対するリスクを非常に懸念していることがよくわかります。そして経済を維持するには2%インフレに回帰する必要性を強調しており、それに向けて強い姿勢で臨む必要があると認識しています。

今後も厳しい姿勢で臨む

この認識については非常に正しいものであり、おそらくは多くの人も支持するものではないかと思います。ただ、あまりに強力な引き締めを行えば当然景気に対する影響も小さくありません。そのため景気減速の懸念はありますが、それについては多少の影響は仕方ないという考えであるようです。以前よりそのようなことは言っていましたが、改めてそれが今も続いているということが確認されました。そのため、今後は多少の景気後退局面に陥ったとしても、FRBの手助けというのは期待できないということになります。株価は非常に不安定な展開が続いていますが、今後もその流れはしばらく変わることはないでしょう。

ただし、柔軟性は持っているよう

ただし、議事録の中にもそのことは指摘されていました。そして現在は各種の指標について景気減速を示すようなものが多くみられるようになっています。そのような状況を考えると、強い姿勢で臨むとは言っていますが、状況によっては少し手を緩めることはあるのではないかと思います。FRBも景気減速を覚悟しているとは言っていますが、減速させたいとは思っていないでしょう。そういう意味では景気が予想外に減速し、自分たちの予想通りの減速シナリオに近くなってきたのであれば手を緩めることもあるのではないかと感じました。もちろんあくまで主観的なことなので何とも言えませんが、直前の経済指標によって利上げのペースを強めたというのは記憶に新しいところです。であれば逆のことが起こったとしてもおかしくはないでしょう。そういう意味ではそちらの可能性についても考えておく必要はあるかもしれません。

まとめ

今日は6月に行われたFOMC議事録についてみてきました。インフレについてはやはり強い懸念を持っており、今後も厳しい姿勢で臨んでいくのであろうという印象です。ただ、状況によっては柔軟に対応を変えていくという姿勢も見受けられたような気はします。以前は予想外の悪化により引き締めをきつくしましたが、今後もそのようなことや逆に緩めるというような柔軟な対応を行っていくのではないかと思います。そういう意味では過去の発言ばかりにとらわれるのではなく、発表される経済指標などをしっかり見極める必要があるでしょう。