相変わらず楽観的なマーケット

マーケットの楽観論というのは相変わらず広がっているような気はします。もちろんあまり悲観的になりすぎる必要もないとは思いますが、少々良いニュースが出てきたからといってあまり鵜呑みにするのもよくありません。きちんと状況を正確に見極めてから行動するようにしたいものです。あまり先走りすぎたところでいいことはありません。

最近のマーケットは楽観的過ぎる

サマーズ元財務長官がメディアにて最近のマーケットはやや楽観論的になっていると警告しました。

サマーズ元米財務長官は10日、インフレに関する気の緩みが金融市場で広がりつつあるとし、投資家が現在想定している以上の金融引き締めが必要になるかもしれないと警告した。

  サマーズ氏は「波乱となりそうな局面に向かっている」とブルームバーグテレビジョンで発言。「市場が今予想している以上の利上げを伴わずに、2%のインフレに戻る軌道に乗っているという確信は私にはない」と述べた。

  同氏はインフレ抑制に寄与してきた多くの要素が反転する可能性を挙げた。一つは中古車価格で、自動車オークションを手がけるマンハイムのデータによれば、1月の米中古車平均価格は前月比で2.5%上昇した。ガソリン価格も今年に入って上昇している。

  「さまざまな要素が反転するだろう」とサマーズ氏は予測。全体的なインフレに関しては、この先は「一段の鈍化という進展は難しくなる」と語った。同氏はハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンの寄稿者でもある。

  「インフレに関するコンセンサスはあまりにも気の緩んだ状態になっている」とし、物価上昇率はまだ「2年前であれば想像できなかった水準だ」と続けた。

引用:bloombergより

このようにサマーズ氏は現在のマーケットのやや楽観的過ぎる期待に対してくぎを刺しています。サマーズ氏は比較的悲観的な論評をすることが多いのであまり気にしていない人もいるかもしれませんが、指摘自体は非常にまっとうであると思います。マーケットはいつも何か自分に都合のいいニュースが出てくると、必要以上に楽観的になるし、逆に悪いものが出てくると異常に悲観的になったりします。そして現在は理由はわかりませんが実体経済に比べてもやや楽観的過ぎるといっていいのではないかと思います。インフレはピークを付けた可能性も高く、これまでとは明らかに違ったフェーズに移ったことは間違いないと思われます。なので気持ちはわかりますが、そう簡単にはいかないでしょう。インフレが進行しないからといってすぐに落ち着くとは限りません。しばらく高止まりし、実体経済を苦しめ続けるかもしれません。事実、今後の予想としてはそのようなものの方が圧倒的に多くなっています。にもかかわらずマーケットはやや楽観的なのです。しかも相変わらず好調な労働市場のことを考えると今後予想よりもさらに引き締められる可能性というのも十分にあり得ることでしょう。そういう意味ではしばらくは株価下落要因の方が依然として大きいといわざるを得ません。

将来のことはだれにもわからない

今後の見通しについては正直何とも言えないといったところですし、それが正直なところでしょう。未来に絶対はありません。なので今年の年末には株は以前のように力強く上昇しているかもしれませんし、懸念されていたリセッションに突入し、悲惨な結果となっているかもしれません。いずれにせよ先のことなど誰にもわからないのです。なので何が起きてもいいように準備しておくということです。そういう意味では楽観的になりすぎてもいけませんし、悲観的になって、投資をやめるというようなこともしてはいけないと思います。我々個人投資家にできることはそう多くありませんし、する必要もないと思います。時間という素晴らしい武器を最大限活用し、資産を守っていくことこそが今考えることです。

まとめ

今日はサマーズ元財務長官の発言についてみてきました。相変わらずの悲観論を述べていますが、その意図するところは理解できます。最近のマーケットはなぜか知りませんがやたらと楽観的になります。そこまでよい将来の予想というのはないような気がするのですがなんでなのかなという感じです。いずれにせよ先のことはだれにもわかりません。何が起きてもいいように準備は怠らないようにしたいところです。