マーケットに悲観論が多くなってきているが気にする必要はない

米国経済の先行きに対して悲観的な味方が増えてきています。依然としてインフレが居座り、金融不安が吹き荒れる中、ウクライナ情勢も一向に収束する気配は見られません。そういう意味ではしょうがないとも言えそうですが、果たしてその予想というのは当たるのでしょうか。

マーケットにあふれる悲観論

今後の米国株式の見通しについてモルガンスタンレーのマイケル・ウィルソン氏は非常に悲観的な見通しを述べています。

米国株に対してウォール街屈指の弱気派として知られるモルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、銀行セクターの混乱で今の業績見通しは高過ぎると見えるようになったと主張、楽観的な株式相場は急落のリスクにさらされていると警戒感を示した。

  ウィルソン氏は27日、「過去数週間の事象を受け、見通しは一段と非現実的に映りつつあると考えている。ハードデータの変化がある以前に、株式市場ははるかに低い見通しを織り込みに行くリスクが増している」とリポートで述べた。

  今月に入ってからの株価と債券の市場動向の乖離(かいり)も、同氏は理由に挙げた。一連の米地方銀行の破綻後にリセッション(景気後退)の可能性が想定され、債券のボラティリティーが急上昇したのに対し、株価は政策当局者の介入を見込んで下げを取り戻した。S&P500種株価指数は2四半期連続の上昇を記録する勢いだ。

  今の注目は4月半ばからの1-3月(第1四半期)決算発表シーズンだ。今年下期の利益急回復が見込まれていることを考慮すれば、高止まりするインフレ率が利幅に及ぼすリスクはまだ「過小評価されている」とウィルソン氏は指摘した。

引用:bloombergより

このようにウィルソン氏は米国経済の先行きに対して悲観的です。同氏はいつも悲観的な論調で有名であり、それ事態はあまり気にすることはないような気はしますが、最近の不確実性が高まる中、その意見というのはより世間に受け入れられやすくなっているのかなと思います。実際のところどうなるかというのはわかりませんが、十分に注意しておいたほうがいいのは間違いないでしょう。

あまり悲観的になりすぎる必要はない

悲観的な人が言っていることだけに、おそらくはそこまでの事態にはならないのかなという印象を持っていますが、それでも現在の金融不安や経済の置かれている状態を考えると、全くのファンタジーということでもないような気がします。FRBが金融政策の舵取りを誤ったりすればたちまちその方向へと経済は進んでいくことになるでしょう。そういう意味ではそのリスクというのは何もありえないという話ではなく、むしろ日々その確率というのは上がっているように思います。インフレは厳しい金融政策にも関わらず全く下落していませんし、その中で企業業績の悪化が起こり始めていたときに新たな金融不安の発生です。この様な現状を見せられれば悲観的にもなるでしょうと言いたくなります。おそらくはこの様なレポートというのはこれからどんどん出てくるのでしょう。そして実体経済もおそらくはあまりパットしない状態となるはずです。なので気分的に悲観的になるのもわかりますが、あまり気にしすぎるのもよくありません。永遠に下落する相場というのはまず存在しません。底をつければ必ず上昇を始めます。これまでのリーマンショックやITバブルなど大きな悲観相場のときというのは大抵この様な悲観論に世界は支配されていました。しかし結局は悪材料をすべて織り込んだあとには上昇を始めたのです。現在の自由な市場経済というのが亡くならない限り、この流れが変わることはないでしょう。なのであまり楽観的になるのも問題ですが、悲観的になりすぎる必要もないと思います。

まとめ

今日はマーケットに吹き荒れる悲観論について見てきました。おそらくこれからこの様な論調は多くなっていくことでしょう。そして多くの個人投資家が慌てて株を売るという行動に出るかもしれません。歴史を見てみると、それらの行動は全て間違いであったとわかります。何度も言いますが、株が下がったときというのは売りどきではなく買い時です。安いものを買って高く売るのが基本であり、このように誰もが悲観的になって売りまくっているときこそ株を買うようにしましょう。そういう行動を取れる人こそが後に大きな利益を得ることができるのです。