消費者相変わらず低調

経済の先行きが不透明感を増す中、消費者心理もやはり冷え込んでいるようです。先日発表された3月の消費者信頼感指数は低調なものとなり、米国の消費者は経済の先行きに対して悲観的になっていることがわかりました。金融不安も依然としてくすぶっており、米国の強い経済を支える個人消費も低調なものが続きそうです。

消費者マインドは一段と悪化

3月の消費者信頼感指数は速報値から下方修正され、消費者のマインドは一段と冷え込んでいることが確認されました。

米ミシガン大学が31日発表した3月の消費者信頼感指数(確報値)は62.0と速報値の63.4から下方改定され、2月の67.0から低下した。低下は4カ月ぶり。ロイターがまとめたエコノミスト予想(中央値)は63.2だった。

消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は声明で「消費者心理は4カ月ぶりに低下し、2月の数値を約8%下回ったが、前年同月の数値を4%上回った」と指摘。消費者心理はシリコンバレー銀行の破綻前にすでに下向きになっており、今月の銀行セクターを巡る混乱の影響は限定的だったとした。

一方で「全体として、消費者が景気後退を予想する傾向が強まっていることを示す複数の兆候が明らかになった」とした。

1年先のインフレ期待は3.6%と速報値の3.8%から下方改定され、2021年4月以来の低水準となった。2月は4.1%だった。

5年先のインフレ期待は2.9%と2月から変わらずだった。

引用:ロイターより

このように、消費者の景気に対する見通しは非常に悲観的なものとなっています。景気の先行きに対して依然として確信を持てないといったところでしょう。SVB破綻に伴う金融不安の影響も大きく出るのかなと思っていましたが、それについては底まで大きな影響はなかったようです。もともと低調だったところにこの事態が起こってきたということで、もう下がりようもなかったというのが正しいのかもしれません。いずれにせよ消費者のマインドが非常に悪化しているということに変わりなく、先行きに対しても悲観的であり、個人消費も今後低調になっていく可能性が高いでしょう。米国GDPの多くを占める個人消費が低調になるということで今後の経済にとって厳しい状況というのは続いていくものと見られます。

長期的な視野で投資をしていく

米国経済の先行きに関しては全く明るい兆しというのは見えないなという印象です。インフレもようやくピークを打ったかなと思った矢先に金融不安が発生し、より不透明感を増してきています。このことにより想定していたよりも米国経済の回復というのは確実に先に伸びることになるでしょう。おそらくFRBもインフレがピークを打ち始めたということで金融政策をやや緩めるかもしれません。そうなると金融不安は交代するかもしれませんが、インフレ抑制にはより時間がかかることになるでしょう。ピークを打ったからと言ってすぐにインフレが落ち着くとは限りません。高位停滞してしまう可能性もありますし、現状その可能性は高いと言わざるを得ません。そうなれば経済の回復はまたさらに先に伸びることになり、株価の回復というのも遅れることになるでしょう。そういう意味ではまだまだ先の長い戦いになりそうです。

まとめ

今日は3月の消費者信頼感指数について見てきました。消費者心理は相変わらず悪いです。まあ、良くなるようなことが全く無いので当然といえば当然ですが、やはり厳しいと言わざるを得ないでしょう。今後についても株式市場は上下を繰り返すと思いますが、はっきりとした上昇トレンドを描くようになるのはまだ先のことだと思います。そういう意味では非常につらい時期が続くと思いますが、こういうときこそ安くなった株を買って、種を仕込むときです。あまり悲観的にならず長期的な視点で投資を続けていきましょう。