ISM製造業総合景況指数は縮小傾向が続く

米国経済は依然として低調な展開が続いているようです。昨日発表されたISM製造業総合景況指数は6ヶ月連続での縮小を示し、経済の回復にはまだまだ時間がかかることが確認されました。長引くインフレと金融不安等、景気の先行きに対して暗い話題ばかりですが、その様な状況はしばらく続きそうです。

ISM製造業総合景況指数は停滞

昨日発表されたISM製造業総合景況指数は長期低迷を示し、未だに景気回復の足音は聞こえてきていないことがわかりました。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は前月から上昇したものの、6カ月連続で活動縮小を示した。6カ月連続は2009年以来の長さで、製造業の低迷が長引いていることが示唆された。

 仕入れ価格指数は53.2と、昨年7月以来の水準に上昇。4月上旬には原油価格が上昇していた。

  新規受注と生産の指数は前月から若干改善したものの、なお縮小圏にとどまっている。ただ製造業の活動縮小ペースの鈍化を示唆しており、これは明るいニュースと言える。

  ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「新規受注のペースは依然低調だ。製造業がいつ成長を再開するのか懸念が続いている」と指摘。「調査の回答では、今後の成長に対する楽観と短期的な需要低下継続の見方が同等の比率で見られた」と付け加えた。

  雇用の指数は3カ月ぶりに50を上回った。

  4月は11分野が活動の縮小を報告。特に家具、木材製品、非金属鉱物製品で縮小が目立った。5分野では活動が拡大した。

  在庫に関する指数はまちまち。在庫指数は2020年8月以来の低水準に下げ、余剰在庫のリスク縮小が示唆された。一方で顧客在庫の指数は2016年以来の水準に上昇。これは受注の伸びの低調さが続くことを示唆している。受注残の指数は低下した。

引用:bloombergより

このように米国の製造業は依然として厳しい状況下にあります。インフレも依然として居座り、金融政策も厳しい状況が続いているため、好調な状態になるわけもありませんが、やはり気分は良くないと言ったところです。更にSVB破綻による金融不安も全く収束する気配はありません。今もなお新たな破綻が起き、経済をより一層悪化させている状態です。この様な状態では投資家の心理も一層悪くなり、株式も一弾の下落という展開もあり得るでしょう。米国経済はすべての状況が負のスパイラルに入っているような状態で、次から次へと悪材料が出てくるという状況です。そういう状況ということもあり、株価の回復というのはかなり先の話になりそうという感じがします。

状況は全く改善せず

米国経済の先行きは本当に見えないという感じがします。一時期はインフレも収束し、そろそろ株価も上昇を始めるかというようなときもありましたが、すべて消え去ったと言っていいでしょう。今の状況を見る限り、明るい未来というのは全く想像できないという感じがします。そして市場では再びスタグフレーションへの危機が意識され始めています。一時はそのリスクというのは小さくなったと見られていましたが、最近ではその可能性についてよく聞かれるようになっています。実際、インフレは全く落ち着く様子を見せず、経済は定位安定をし、更には金融機関の破綻が起こるという誰が見ても明るい兆しは見えないというような状態となっています。ここまでくればスタグフレーションという言葉を誰しもが考え、想像することではないかと思いますし、一度その様な空気になればその流れは勢いをつけ加速していくのかなと思います。そうなれば株価の下落は思っているよりも大きく、そして早いものになるかもしれません。気づいたときには手遅れということにもなるかもしれません。そういうことを覚悟しなければならない状況がもうすぐそこに来ている可能性について考えておく必要がありそうです。

まとめ

今日はISM製造業総合景況指数について見てきました。米国経済は予想通りというか、本当に悪化の一途をたどっているという状況です。明るい兆し全く見えないと言っていいでしょう。そういう意味ではしばらくこの様な状況は続いていくと思ったほうが良く、さらなる下落というのも覚悟しておくほうが良さそうです。もちろん長期的に見ればいつかは回復してくるとは思いますが、短期的にはそのようなことになる可能性が高くなっていると思います。