4月の生産者物価も引き続き落ち着きを維持する

インフレは確実に落ち着きを見せてきています。先日発表された4月の生産者物価は大きく鈍化し、物価は着実に鈍化してきているようです。先日発表された消費者物価も落ち着きを見せてきており、インフレが確実に鈍化してきていることがわかるものとなっています。

4月の生産者物価は引き続き落ち着いた状態

昨日発表された4月の生産者物価指数は大きく鈍化し、引き続き生産者物価が落ち着きを見せていることを確認するものとなりました。

4月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同月比ベースでの伸びが引き続き鈍化した。商品コストの低下とサプライチェーン改善を受け、生産者物価の伸びは長期にわたって減速が続いている。

  総合PPIでは、前月比での上昇全体の80%をサービス分野が占めた。ポートフォリオ管理や食品卸売り、ヘルスケア関連の一部などで価格が上がった。

  食品とエネルギー、貿易サービスを除いたPPIは前月比0.2%上昇。前年同月比では3.4%上昇だった。

  前日発表された4月の消費者物価指数(CPI)でもインフレ鈍化の兆候が示唆されていた。2021年と22年上期には物流面での問題などが影響しさまざまなモノの価格が急激に上昇したが、その後は緩やかながらも状況の改善が続いており、インフレ鈍化に大きく寄与している。

  ヘルスケアなどPPIの幾つかのカテゴリーは、米金融当局が重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられる。

  ヘルスケア分野では外来患者向けの医療費の伸びが前月から加速。また在宅医療とホスピスケアの費用も伸びが前月を上回った。一方で入院患者の医療費は伸びが鈍化した。

引用:bloombergより

このように生産者物価は落ち着きを見せてきています。このところは一時期の急激な物価上昇の勢いは影を潜めており、その流れを受け継いだ形となっています。生産者物価以外の指標でもインフレは落ち着きを示すものが多くなっており、確実に経済は冷やされてきていると言っていいでしょう。ただ、それでもなお物価水準は目標とする2%には程遠いものとなっており、まだまだ金融が大きく緩むということはないのかなという感じがします。

今後の展開は何も確定的なことは言えない

今回の結果は最近のインフレ鈍化を改めて確認させるようなものとなっていると思います。消費者物価や他の経済指標も大きく伸びが鈍化してきており、インフレは確実に落ち着いてきていると言っていいでしょう。ただ、先程も述べたように依然として物価が高水準であることには代わりありません。そういう意味ではまだまだインフレとの戦いは続くものと見られ、FRBも引き締めの手を緩めることはないでしょう。ただ、最近の金融不安を背景とした一時的な利上げの停止処置の可能性については十分にあると思われます。最近の傾向を見る限り、市場はその可能性をかなり予想してきているようですが、まだ確実なことは言えません。個人的にはその可能性も十分にあるとは思います。しかし、FRB関係者からは引き続きタカ派的な発言も多く聞こえてきますし、次回FOMCまではまだまだ時間もあることから事態は流動的であると捉えておいたほうがいいでしょう。

まとめ

今日は4月の生産者物価について見てきました。物価の落ち着きは確実に進行してきています。ただ、そのスピードは遅く、いわゆる粘着性が高いものであり、引き締め政策が終わるまでは時間がかかると思われます。なので今後も引き続き厳しい金融政策が続くと思われます。しかし、一時的な引き締めの停止の可能性は十分にあるのでその事は頭に入れておくべきでしょう。