6月のISM製造業景況指数は依然として低調

製造業の景気は依然として低調なようです。昨日発表されたISM製造業景況指数は8ヶ月連続の縮小となり、製造業は非常に厳しい状況に置かれていることを確認する内容となりました。インフレは依然として高く、消費もそこまで大きく落ち込んではいませんが、ものへの消費というのはまだまだ厳しいようです。

製造業の現場は引き続き低迷

昨日発表された6月のISM製造業景況指数は引き続き低調なものとなり、製造業は今もなお厳しい状況であることが確認されました。

米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業総合景況指数は前月から低下し、8カ月連続での活動縮小を示した。生産や雇用、仕入れ価格などの指数が下がり、総合指数は約3年ぶりの低水準となった。

  生産指数は低下し、こちらも20年5月以来の低水準。モノに対する需要が引き続き低調なことが示唆される。新規受注は10カ月連続で縮小圏となったほか、受注残も50を下回っての推移が続いた。

  前月まで2カ月連続で拡大圏だった雇用指数も48.1と縮小圏に転じた。製造業で雇用を増やした企業が減ったことを示唆している。

  6月は11業種が活動縮小を報告。プラスチック・ゴム製品、木製品、繊維などで縮小が目立った。

  ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「需要は依然弱く、仕事不足から生産は減速しつつある」と指摘。「調査先の企業は生産を減らし、人員整理のためレイオフを実施している。そうした度合いは過去数カ月より強まっている。顕著な成長がいつ戻ってくるかについて、企業のセンチメントは強弱まちまちだ」と記した。

  顧客在庫の指数は昨年10月以来の低水準。在庫は14年以来の水準に下げた。

  一方、商品価格の下落が製造業に寄与している状況も示された。仕入れ価格指数は41.8に下げ、今年に入って最も低い水準となった。

引用:bloombergより

このように米国の製造業はまだまだ厳しい時間が続いています。労働市場は依然として堅調であり、個人消費も思ったよりも減少していませんが、それでもものづくりの現場に活気は戻ってきていないようです。そういう意味では見た目以上に経済というのは力を失っている可能性があると考えたほうがいいのかもしれません。他の指標では引き続きインフレの継続や経済活動の力強さを示すものも多くありますが、このように弱さを見せるものもいくつか存在しており、なかなか判断が難しい状況なのかなという印象です。しかし、インフレが高止まりしていることは事実であり、今後も引き続き厳しい金融政策が実行されることは間違いないでしょう。そういう意味では製造業の現場は今後さらに厳しくなっていく可能性があると考えたほうが良さそうです。

回復は依然として不透明

ものづくりの現場は思った以上に厳しいのかなという感じです。インフレが長く居座る中でも比較的強い経済指標も多く発表されているので、実体経済もそこまで弱くないのかなと感じることもありますが、実際は相当厳しいのだろうというのが正直な感想です。そして今後のことを考えるとその状況が改善するということはまずないと言っていいでしょう。今後の先行きに対しては非常に悲観的に見る向きは依然として多く存在します。そして金融政策がまだまだ厳しさを残し続けることもほぼ間違いないでしょう。そうなると製造業の現場の苦境というのはそう簡単には解消されないと見るのが普通です。そういう意味では株式市場も年末に向けてより厳しい状況が続いていく可能性についても覚悟する必要があるのでしょう。

まとめ

今日は6月のISM製造業景況指数について見てきました。ものづくりの現場は相当弱体化しているのではないかということを感じさせるものでした。そういう意味ではそろそろ力強いサポートを求めたくもなりますが、インフレが収まるまではなかなか期待できないというのが正直なところです。なので今後はより状況は厳しくなり、株価も冴えなくなるのではないかという懸念が引き続き出てくるという感じがします。