先物市場でにて大きな揺り戻しの可能性あり

先行きに対する不透明感は依然として存在しますが、実際株式市場においては下落のリスクがかなり高まってきているようです。先日発表されたレポートでは先物市場にてかなりの強気なポジションが形成され、その揺り戻しの可能性が指摘されています。そういう意味ではこの先想定以上の株価の下落というのも起きるのかもしれません。

先物市場にて買ポジションがかなり大きくなっているよう

先日、シティから発表されたレポートによると、先物市場にて米国株のポジションがかなり行き過ぎているとの指摘が見られました。

6月末にかけて投資家が積み上げた米国株先物に対する強気ポジションはかなりの行き過ぎがあるように見受けられ、揺り戻しのリスクが高まっている。米シティグループのストラテジストが分析した。

  シティの3日付リポートによれば、S&P500種株価指数先物には先週、新たなロングポジションが約71億ドル(約1兆250億円)追加された。投資家には「まずまずの大きな利益」が出ていると、シティは指摘した。

  ストラテジストのクリス・モンタギュー氏は、ロングポジション全体では最近付けた過去最大を下回っているが、「相場が既にどれほど動いたかを考えると、この利益を確保するために今後1週間には巻き戻しが見られる可能性がある」と述べた。

  ネットポジションはなお強気だが、警戒の兆しがすでに表れているとの見方をモンタギュー氏は示し、ナスダック先物に先週流入した新たなポジションは圧倒的にショート(売り持ち)だったと語った。

引用:bloombergより

このように先物市場ではやや投資家の期待というのが大きくなりすぎているようです。先行きに対しては悲観的に見る向きも多くありますが、強気に見る向きも小さくありません。その強気派の買いがやや大きくなりすぎており、今後その揺り戻しが起きるだろうとしています。先物は当然ながらいつまでも持ち続けるということはできません。時期が来れば自動的に反対売買をしなければいけなくなるため、買ったものを値段が上がるまで持ち続けるという戦略は不可能です。そういう意味ではその膨らんだ買いポジションというのはいつか解消するための動きを取ることになるでしょう。そしてその買いのポジションというのが今非常に大きくなってしまっているのです。そういうわけで今後短期的にはその大きな売り圧力というものに市場が耐えていかなければなりませんが、それが可能かどうかは誰にもわかりません。むしろ先行きに対する不透明感を考えれば今後皿に買いポジションを取るという投資家は少ないのかなと思われます。そうなれば大きな売り圧力によって株式市場が予想以上に下落するという可能性も否定できないのかなという印象です。

更に懸念材料が増える

今後の先行きが依然として不透明であるということには代わりありません。インフレ指標は依然として強く、金融政策を緩めるほどの説得力を持っているとは思えません。企業業績も非常に不安定であり、とても力強い上昇を見込める状態ではないでしょう。そこへ来て先物市場からも先行きに対して売り圧力が掛かりそうな状態であるということは投資家にとって非常につらい状況であると言っていいでしょう。そういう意味ではやはりしばらく良いパフォーマンスを上げることは難しいのかもしれません。

まとめ

今日は先物市場の動きについて見てきました。ただでさえ悲観的なところにさらに悲観的な要素が加わったという感じです。そういう意味ではますます明るい未来は見通せないなという感じでしょうか。もちろん長期的に見ればいつかは上昇するとは思いますが、少なくとも今年中の株価の回復というのはなかなか厳しいのかなという感じがします。