PCEも引き続き良好な結果が示される。

米国の個人消費は引き続き堅調であることが確認できました。昨日発表されたPCEは消費が依然として力強いということを示しており、物価上昇が続く中でも消費はそこまで停滞していない可能性を示す内容でした。インフレが落ち着きを見せる中でも消費がそこまで落ちないということで、ソフトランディングへの期待は一段と高まっていると言っていいのかもしれません。

PCEも引き続き堅調

昨日発表されたPCEは引き続き上昇していることが確認され、消費が依然として堅調であることがわかりました。

米国では主要なインフレ指標が、物価圧力の緩和が続いていることを示した。個人消費も活発となり、7-9月(第3四半期)を前に景気が勢いを増していたことが明らかになった。

 インフレ調整した実質PCEは前月比0.4%増加。1月以来の大幅な伸びとなった。

  前年同月比でのインフレ率は依然として連邦公開市場委員会(FOMC)の目標を上回っているものの、この1年間で物価と賃金の伸びが著しく減速したことで、景気を悪化させずにインフレを抑制できるという期待が膨らんでいる。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は26日、引き締めサイクルが終了に近づいている可能性を示唆した。同日終了したFOMCは22年ぶりの高水準に政策金利を引き上げた。9月の次回会合までに、複数の重要統計が発表される。

  今回の統計ではもう一つ、米金融当局が注視するサービス関連物価指数について朗報があった。ブルームバーグの算出によれば、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数は前月比0.2%上昇し、5月と同じ伸び率だった。前年同月比では4.1%上昇し、2022年中盤以来の小幅な伸びにとどまった。

  金融環境がタイトになり、物価が依然上昇しているものの、堅調な労働市場のお陰で消費者は支出能力を維持できている。賃金の伸びは物価上昇ペースを上回り始めており、価格高による負担を和らげている。

  財への支出はインフレ調整後で前月比0.9%増加。1月を除いては今年最大の伸びとなった。トラックの新車需要が強いことを反映した。サービスへの支出はインフレ調整済みで0.1%の小幅な伸びだった。

  ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール、ジョナサン・チャーチ両氏は今回の統計を受け、「FOMCにとって重要な点は明白だ。引き締め政策をもっと長く維持する必要があるということ。ただ、それが年末あたりに成長減速を招く可能性がある」と分析した。

  個人消費を支える実質可処分所得は前月比0.2%増加。賃金・給与はインフレ調整前で0.6%増と、今年1月より後では最大の伸びとなった。貯蓄率は4.3%に低下した。

引用:bloombergより

このように米国の消費の現場ではインフレをものともせず堅調に推移しています。インフレを抑制するには消費もいくらかは落ち着く必要があると見られていましたが、そこまで落ち着くこともなくインフレは抑制的になってきています。そういう意味でも非常に理想的な状況になっていると言っていいでしょう。一時期大きく聞こえてきた米国経済の悲観論というのは最近はほとんど聞かれることはなくなっており、状況は一段と改善していると言っていいのだろうという感じです。

少しずつ正常化へと進んでいるように見える

米国経済を取り巻く環境は日に日に良くなっているように思います。インフレは落ち着きを見せ始め、金融政策にもゆとりが出てきています。そして実体経済は予想していたよりも悪化することなく、雇用も守られていることから消費も大きく落ち込むことはありません。そういう意味でもこれまでのところはまさに理想的な展開と言っていいような気がします。このままインフレが2%へと収束するまで続くことを願うばかりですが、それはまだまだ先の話です。状況が良くなっているとはいえ、一気に収束ということにはならないでしょう。ゆっくりと、時には悪化の気配を見せながらも収束していくのだろうと思います。もちろん先のことは誰にもわかりませんから、あらゆる状況へと対応できるように準備しておくことは大事であることは言うまでもありません。

まとめ

今日は米国の消費の現場について見てきました。相変わらず米国経済は堅調であると言っていいでしょう。少なくとも想定していたよりもまともであることは間違いありません。このまま順調に言ってくれればいいのですが、あまり楽観的になりすぎるのもよくありません。きちんとそこはわきまえておきたいところです。