日銀の政策決定はいまいち判断に困るもの

先週は米国や日本など多くの中央銀行が政策決定会合を開き、そのたびに市場は大きく動くというような展開でした。その中でも日銀の決定には大きく市場も応したように思います。実際にはその発表に前にメディアからリーク記事が発表され、その後日銀より正式な発表を経てそのような結果となったわけですが、正直その内容については判断が難しいのかなという感じがします。

JPモルガンは円に対する見方は弱気を維持

先日の日銀の発表を受けて、JPモルガンでは以下のような見解を発表しています。

JPモルガンのアナリストは28日、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化を決定したことを受けて、円に対する「弱気」の見方を維持するとした。

リサーチノートで「短期的にはある程度」円高になる可能性はあるが、インフレの主な決定要因に変化がない限り、日銀が緩和的なスタンスを根本的に変えることは難しいだろうと指摘した。

日銀の発表を受けて、円の対ドル相場は1.2%安から1%高の間で振れる展開となった。直近では横ばいの1ドル=139.35円となっている。

引用:ロイターより

このようにJPモルガンでは今回の日銀の発表を受けても円に対する見方は大きく変えていないようです。メディアを始めとしておおくの識者の間では今回の決定は日銀の政策変更という感じで捉えられており、実際発表直後は為替相場も大きく円高ドル安に動きました。しかし、その後は急速に円が売られる展開となり、思ったほど円はドルに対して強くはなっていないように思います。これはメディア等で言われているほど市場は今回の日銀の決定を緩和修正とは思っていないものと思われます。もしそうであれば一段と円高になっているはずです。そういう意味では今回の日銀の決定に対して市場も判断しかねているという感じなのかなと思います。

非常に曖昧な決定

今回の決定についてはよくわからないというのが正直なところです。一報を聞いたときはまさかと思いました。こんなに短期間に日銀が政策変更をするというのはこれまでの言動と整合性が取れないからです。しかし、日銀の発表内容を見てみると正直そこまで緩和修正なのかという感じもしますし、確かに修正の可能性もあるようにも思えるというような感じだったと思います。そういう意味で今回の決定というのはあとからなんとでもできるような非常に曖昧なものとも言えるのでしょう。だからこそ市場も最初こそ円高に動きましたが、その後修正の動きを入れてきたのだと思います。なのでとりあえずは今後の日銀の行動がどのようになるのかをしっかり見る必要があるのでしょう。そこで今回の決定の意味というのがわかってくるはずです。そういう意味ではまだなんとも言えないというのが正しいのだと感じています。

まとめ

今日は先日の日銀の金融政策について見てきました。市場の反応を見ればわかるように今の所日銀がどのように考えているのかというのは判断しかねる状況です。メディアで言われているような緩和修正ということはありませんし、緩和維持とも断言できないという状況でしょう。そういう意味では非常に判断に困る状況であり、今後の日銀の行動がどうなるかをきちんと見極める必要があると言っていいでしょう。