イーロン・マスク氏も米国債の格下げの動きについては批判的

格付け会社による米国債の格下げによって市場は大きく動揺しました。そしてそれについていろいろな人が反応していますが、イーロン・マスク氏も同様に今回の事態について発言しています。結論としては米国債に対する楽観的な見解を示し、悲観論を一蹴しています。実際のところ、米国債が今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも我々が直ちに行動を取らなければならないような事態ではないことは間違いないのかなという感じがします。

イーロン・マスク氏が楽観的な見解を示す

先日、イーロン・マスク氏がSNS上で米国債に対する投資についての見解を述べていました。

米電気自動車(EV)メーカー、テスラの最高経営責任者(CEO)でX(旧ツイッター)のオーナーであるイーロン・マスク氏は米財務省短期証券(TB)について、「考えるまでもないもの」だと投稿した。

  この発言はパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者、ビル・アックマン氏の投稿を意識したものだ。

  アックマン氏は2日遅く、金利上昇が株価に与える影響へのヘッジと「単独」の投資として、パーシングが30年物米国債をショートにしていると明らかにした。3日には、手元資金運用で期間短めのTBを活用しているとの説明を加え、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長兼CEOに同調した。

  バフェット氏は3日、フィッチ・レーティングスが今週に米国を格下げした後も、バークシャーはTB購入をやめるつもりはないと述べた。

  ブルームバーグはマスク氏に対し米10年債と30年債に関する見解を求めたが、今のところ返答はない。

  期間長めの米国債相場は週間ベースで今年最悪のパフォーマンスを記録する方向にある。

引用:bloombergより

マスク氏はこのように述べ、現状、米国債に対して投資をすることに全く問題ないというような態度を示しています。このような姿勢を示す識者は非常に多く、先日も述べたバフェット氏をはじめ多くの投資家や専門家が格下げに対して批判的な立場を示していました。マスク氏の発言もそれらに同調するようなものであり、多くの有識者は現状米国債に対してそこまで悲観的にはなっていないということでしょう。たしかに米国はひじょうに多くの問題を抱えているために、やや悲観的になることはわからないでもないですが、それでも米国債に対する信任が揺らぐほどとは到底思えません。そういう意味でマスク氏の発言というのは至極まっとうなことだと思われます。

個人投資家にはあまり気にする必要はないのかな

マスク氏は時々市場関係者を驚かせるような発言をするので、またおかしなことを言ったのかなと思いましたが、今回に関しては非常にまっとうな発言をしたようで、とりあえず良かったなという感じがします。それとマスク氏とバフェット氏は時々意見が食い違い、論争を巻き起こすようなこともあったのですが、今回に関して言えば意見が一致しているようです。そういう意味ではよほどの変わり者でない限りは格下げの動きについて気にする必要はないのだろうという感じがします。もちろん、ビル・アックマン氏のようにその方向にかけている人もいますし、それを批判するつもりはありませんが、個人投資家レベルであまり深入りしないほうがいいのだろうと感じています。

まとめ

今日は米国債格下げの動きに対するイーロン・マスク氏の発言について見てきました。まあ、当然といえば当然の発言であり、いちいち取り上げることもないような気はしますが、米国債が格下げされるという非常にインパクトのあるニュースだけに気になっている人も多いのではないかと思います。しかし、マスク氏やバフェット氏など多くの有識者は今回の事態については批判的です。いつもは意見が対立し、激しい論戦を繰り広げているような人たちでさえも格下げの動きには揃って批判をしているように思います。そういう意味でも、やはり今回の格下げというのはあまり良い動きではなかったのかなという感じがします。