労働市場は引き続き安定を維持。しかし、緩和期待は楽観的すぎる。

米国経済は今のところ堅調を維持しているようです。先週発表された前週一週間での新規失業保険申請件数は市場予想を上回ったものの、依然として低水準であり、労働市場は未だ堅調であることが示唆されました。インフレが落ち着きを見せ始めていますが、労働市場もインフレを悪化させるほどでもなく、経済を悪化させるようなこともないというような状態であり、ある意味理想的な状況と言えるのかもしれません。

労働市場は引き続き安定

先日発表された8月5日までの一週間での新規失業保険申請件数はやや増加したものの、引き続き低水準を維持しているようです。

米労働省が10日発表した8月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は24万8000件と、前週から2万1000件増加した。市場予想は23万件だった。

新規失業保険申請件数は市場予想を上回ったものの、失業率は50年超ぶりの低水準で推移しているほか、賃金の伸びも引き続き高水準にあり、労働市場を巡る状況は依然としてタイトとなっている。

ただ、労働生産性が上昇していることから、エコノミストは人件費が抑制されるとの楽観的な見方を示している。

当該週の申請件数が予想を上回って増加したことの背景には、以前から不正申請が問題視されていたオハイオ州での申請が大幅に増えたことに加え、米トラック運送大手のイエローの経営破綻などがあるとみられている。

7月29日までの1週間の継続受給件数は8000件減の168万4000件。歴史的な低水準にあり、解雇された労働者がすぐに再就職できていることが示された。

引用:ロイターより

このように米国の労働市場は引き続き堅調です。インフレの落ち着きが確認され、それが今後も続くのかということが気になるところですが、労働市場は今のところ問題なさそうです。特別悪化することもなく、経済に対する悪影響もそれほど気にする必要もないかもしれません。

まだ緩和期待は早急だろう

そして今回のデータは今後の金融政策にも大きく影響してくることでしょう。今の所、市場では金融政策のなんかを予想していますが、実際にはそれほど簡単には行かないような気がしています。FRBはそこまで楽観的ではない旨の発言をよく聞きますし、今回のデータを見ても緩和を期待させるほどではないと思われます。そういう意味ではやはり今後も金融政策は厳し目に見ておいたほうがいいのかなという感じがします。

まとめ

今日は労働市場の動きについて見てきました。労働市場は今のところ安定的に推移しています。しかし、市場が期待するほどのものではないでしょう。そういう意味では今後のハト派よりの政策を期待するには不十分なものなのかなという感じです。