新規失業保険申請件数は大幅に減少。労働市場は今なお強さを見せる。

米国の労働市場は依然として堅調です。昨日発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は大幅に減少し、労働市場は未だ強さを失っていないことが確認されました。インフレが落ち着きを見せ始め、経済も想定よりは強さを保っている中、労働市場の安定というのは非常に喜ばしいニュースであると言っていいでしょう。

労働市場は引き続き堅調

昨日発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は大幅に減少し、労働市場は今なお強さを保っていることが確認されました。

米国では先週、失業保険の新規申請件数が減少した。減少幅は5週間ぶりの大きさだった。底堅い経済を背景に、雇用主が人員削減を思いとどまっている状況が浮かび上がる。

  失業保険の継続受給者数は8月5日終了週に172万人に増加した。前週は168万人。

  さまざまなセクターで借り入れコスト上昇の影響が出ているにもかかわらず、労働市場は力強さを維持している。採用を減らし始めた雇い主もいるが、多くは人員削減に消極的だ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に人材不足に悩まされた経験が影響している。

  自動車メーカーが毎年の設備入れ替えで稼働を停止するため、この時期は新規申請データが特に変動しやすい。より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23万4250件に増加した。

  季節調整前の申請件数は21万2850件に減少。州別ではカリフォルニアとテキサス、ミシガンで特に減少した一方、バージニアでは増加した。

引用:bloombergより

このように労働市場は力強さを保っています。インフレ抑制にはある程度の雇用の悪化も必要と見られていましたが、労働市場はそれほど悪化することなくインフレは落ち着きを見せ始めています。まだインフレとの戦いは長く続きそうですが、今の所雇用に関する心配というのはあまりなさそうというのが正直なところです。雇用主としてもコスト増加や悪化しないとはいえ好調とは言えない景気を考えると、労働者を確保し続けるというのも大変だろうとは思いますが、今労働者を失うことは今後のことを考えるとマイナスな部分が大きいと見ているのかなと感じています。そういう意味では先行きに関してはそこまで悲観することはないのかもしれません。

今のところはまずまず順調

労働市場の安定というのは経済にとっては非常にプラスです。インフレ抑制のためにはある程度の悪化も仕方ないと思っていましたが、ここまでくればもうそのような心配はないと言っていいでしょう。時間はかかるとは思いますが、ソフトランディングの可能性も十分高まってきたと思います。そういう意味では今のところ順調に事は進んでいると言っていいのだろうと感じます。

まとめ

今日は先週一週間の新規失業保険申請件数について見てきました。相変わらずの堅調さを保つ労働市場は非常に心強いと言っていいでしょう。少なくとも現状においてはマイナスになるニュースではないような気がします。このまま順調にインフレが落ち着き、景気も徐々に上向きになってくれればいいのですが、果たしてどうなるでしょうか。そう簡単な話ではないとは思いますが、その可能性は確実に高くなってきているとは思います。