8月のPMIは低調な結果

米国経済はやはり弱さを見せてきています。昨日発表された8月のPMIは非常に低水準なものとなり、経済活動がかなり低下していることがわかりました。先行きに対しては楽観的な見方が増えては来ているようですが、油断はできないのかなという感じです。

8月のPMIは低調

昨日発表された8月のPMIは低調なものであり、米国経済がまだまだ回復するには時間がかかることを印象づけるものでした。

S&Pグローバルが23日発表した米国の製造業・サービス業を合わせた8月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は、6カ月ぶり低水準となり、縮小圏に近づいた。需要低迷が重しとなった。

  今回の数字は最近の堅調な小売売上高の持続性に関して懸念を抱かせる。サービス業PMIも6カ月ぶりの水準に低下。新規受注はサービス業と製造業の両方で悪化した。

  S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「高い価格や金利上昇を受けて、需要がますます低迷しているようだと企業は報告している」と発表文で指摘。

  「その結果として新規受注が8月に落ち込んでおり、9月の生産を縮小に転じさせる可能性もある。企業が需要環境の悪化に合わせて稼働能力を調整するためだ」と続けた。

  インフレに関しては強弱まちまちの内容が示された。賃金や資材コストは伸びが加速。一方、企業が財やサービスの需要喚起に務める中、販売価格の伸びは小幅に鈍化した。

  低調な需要や受注減少、受注残の縮小を背景に、人員を削減する企業もあれば、採用を抑制する企業もある。雇用の指数は2020年半ば以来の低水準となり、縮小圏に近づいた。

  今回の統計では、企業が見通しについては楽観を強めていることも示された。金利やインフレが安定化するとの期待に支えられた。

引用:bloombergより

このようにPMIは低調なものとなっています。先行きに関してはやや期待を込めたものだとは思いますが、明るい兆しを感じているようですが、果たしてどのようになるかはわかりません。インフレが落ち着きを見せ始め、先行きが楽観的になってきたことは事実ですが、経済活動事態が好調であるということはありません。非常に危うい状態であることは間違いないでしょう。ここを間違うとせっかく上向きになってきた者が反転する可能性もあります。そういう意味では非常に重要なポイントに差し掛かってきたと言っていいのかもしれません。

今後の政策が重要

内容についてはやや低調なものですが、そこまで大きく心配することもないのかなという感じです。現状、経済状態が良くないことはわかっていたことですし、インフレを抑制するために金利を引き上げていたり、物価がハイペースで上昇していたりということを考えれば、むしろこの程度で住んでいることは良いことだとも言えるのかなと感じます。そういう意味ではやはり今後がどうなるかということが重要です。ここしばらくの政策を間違えなければ米国は本当にソフトランディングを可能とする可能性は十分に出てきたのかなと感じます。そういう意味ではジャクソンホールでのパウエル議長の発言が非常に気になるところです。

まとめ

今日は8月のPMIについて見てきました。弱い内容でしたが、そこまで悲観することもないでしょう。むしろ重要なのは今後の金融政策です。あまり引き締めすぎてもだめでしょうし、緩めすぎてもせっかく落ち着いてきたインフレがまた再燃してしまう可能性もあります。そういう意味では非常に難しい状況であることには変わりないのかなという感じです。