投資家心理が悪化している時こそ投資のチャンス

高止まりを続けるインフレ率などにより、投資家の心理はかなり冷え切っているといっていいでしょう。現在の状況をとても素晴らしいといえる人はあまりいないのではないかと思います。実際そのような調査結果も出てきており、投資環境というのは日に日に悪化しているといっていいのかなと思います。そういうわけで今日は現在の投資家心理についてみていきたいと思います。

投資家心理はどんどん悪化してる

現在、多くの投資家は金融商品に対して積極的に投資をするという姿勢を見せていないというレポートがバンクオブアメリカから発表されました。

投資家は現金の保有を大きく増やしつつある一方、他の資産クラスについてはほぼ全て敬遠していると、米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらが指摘した。投資家のセンチメントは世界的な金融危機以降で最も悲観的になっているという。

  BofAのリポートによれば、21日までの1週間に現金の保有は303億ドル(約4兆3300億円)増加。一方で世界の株式ファンドの資金流出入は78億ドルの純流出となった。債券ファンドからは69億ドル、金からも4億ドルが流出した。BofAはEPFRグローバルのデータを引用した。

  マイケル・ハートネット氏らストラテジストは、投資家のセンチメントが2008年の金融危機以来で最悪となっていることに「疑いの余地はない」と指摘。国債からの資金流出は1920年以来の高水準だとしている。現金と商品、ボラティリティーが引き続き債券と株式を上回るパフォーマンスを見せると予想。BofAのブル・ベア指標は「最大の弱気」を示す水準に戻っている。

  金融環境の引き締まりと地政学リスクの高まり、さらに世界の成長見通しが暗くなりつつあることでバリュエーションは圧迫されており、米国株はこの先一段と下げるとハートネット氏は予想。同氏の企業利益予想に基づくと、S&P500種株価指数は3300-3500での推移が示唆され、これは現在の水準を少なくとも7%下回る。

引用:Bloombergより

このように投資家心理は急速に悪化してきており、だれしも投資に対して消極的になっているようです。これだけインフレが高止まりし、景気も今後大きく減速していることが見込まれる現在、積極的に投資をしていこうと思う人はそう多くはないでしょう。そういう意味では当然の結果といっていいのかもしれません。私自身も今後すぐに株価が上昇するとはとても思えず、しばらくは良くて横ばい、悪いとかなりの下落が起きてもおかしくはないと思っています。

こういう時こそ個人投資家にとっての最大のチャンスである

このように投資家心理はかなり冷え込んでいることがわかります。ただ、個人投資家の視点でいえばこれはチャンスだと思っています。過去にもこのような市場急落や景気後退ということは何度も経験してきました。そのたびにもう株は終わりだとか経済が二度と回復しないような空気に包まれてきました。しかし、何度そのようなことを経験しても経済はその後きちんと回復をし、今の状況を作り上げているのです。株価がゼロになるということはその企業の価値がなくなるということです。一部の企業はそうなる可能性はあるでしょうが、多くの上場している企業というのはそうそう企業価値がゼロになるものではありません。例えばどんなに景気が悪くても生きていくために必要なものは必ず消費されるでしょう。日用品や食品、エネルギーなどが分かりやすいと思います。これらを扱っている企業というのはまずなくなるということはあり得ません。もちろん個別企業を考えれば倒産することもあり得るでしょうが、すべてが消えてなくなるということはないでしょう。そういう意味では株がどんなに下がったとしてもゼロになることはあり得ず、ある程度下がってしまえば今度は企業価値が正当に評価されるようになるはずです。大恐慌のような社会全体の仕組みが変わるようなことが起きれば人々の生活も根本から変わってきますし、企業活動というのも大きく変わります。そうなれば新たなビジネスチャンスが生まれ、そこから大きな利益を上げることができるようになるでしょう。そのようにして世界の経済は大きく成長してきたのです。そういう意味では今回の景気後退も新たな成長へ向けての大事な過程の一つだともいえると思います。そういう意味では今回の景気後退の後は必ず株価は上昇していくでしょう。その時のために今はじっくりと種を仕込んでおく時期だと思います。おそらく最初は資産を大きく減らすことになり、苦しい時期が続くと思われます。しかし、そこを耐えればその先には明るい未来が待っているはずです。それができる人こそが投資で大きな成功を収めることができるのだと思います。

まとめ

今回は投資家心理について考えてきました。現在の状況を考えれば投資家心理が悪化することは仕方のないことでしょう。しかし、長期的に見ればこのような下落というのはむしろ大きなチャンスであり、こういう時こそ積極的に投資をしていくべきです。そういう人が大きな成功をつかむことができるのです。得の投資の世界ではこのようなことができるのは我々個人投資家だけです。機関投資家などプロは半年や四半期など短期間での成果を求められます。なので数年先の上昇などというのは何の意味もないのです。わかっていてもそのための投資というのはできないのです。その最良の投資方法を実践できる存在は個人投資家だけなのです。そのメリットを最大限生かすための努力を我々は続けていくべきなのです。