FOMCにて政策金利の据え置きが決定される

19日と20日に市場が注目するFOMCが開催され、政策金利の据え置きが決定されました。会見ではパウエル議長から今年中にあと一回程度の利上げの可能性を示唆されるなど、おおよそ想定された内容だったのかなという印象です。

政策金利の据え置きを決定

9月のFOMCが昨日まで開催され、政策金利の据え置きが決定されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は19、20日に開催した定例会合で、主要政策金利の据え置きを決定。一方で、年内あと1回追加で金利を引き上げ、その後は高水準の金利をより長期にわたって維持する公算が大きいことを示唆した。

  FOMCは会合後に発表した声明で、前回声明での「適切となり得る追加的な政策引き締めの程度」を決定するとの文言を繰り返した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合終了後の記者会見で、「適切であれば追加利上げに動く用意があり、インフレがわれわれの目標に向かって持続的に低下していると確信が持てるようになるまで、政策を景気抑制的な水準に維持する考えだ」と述べた。

  また「われわれは時間とともにインフレ率を目標の2%へと押し下げる上で十分に景気抑制的となるような金融政策スタンスを達成し、それを維持することにコミットしている」と述べた。

  フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。声明と同時に発表した最新の四半期経済予測では、FOMC参加者19人のうち12人が年内あと1回の利上げを支持していることが示され、当局としてインフレ鈍化の継続を確実にしたいと考えていることが浮き彫りとなった。

  パウエル議長はまた、入手するデータと変化する見通し、そしてリスクを精査しつつ、「慎重に政策を進めていく」と強調し、8月のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)での発言内容を繰り返した。

  昨年の急速な利上げにより「われわれは到達すべきところにかなり近づいていると考えられる」とも議長は語った。

  四半期予測では、2024年に見込む金融緩和の幅が縮小。経済と労働市場が再び力強さを増していることを反映している。

  予測の中央値では、FF金利を24年末までに5.1%に低下させることが適切だと予想されている。前回6月時点での4.6%から上向きに修正されたことになる。その後は25年末に3.9%、26年末で2.9%への低下が見込まれている。

  インフレ率については、24年に3%未満に低下し、26年に2%に下がるとの予想が引き続き示された。経済成長率については、23年が2.1%に上方修正され、24年は1.5%に減速すると見込まれている。

  高金利をより長期にわたって維持するとの当局予想は、失業率に関するより楽観的な見通しも反映している。24年の失業率は6月時点の予測では4.5%だったが、今回の最新予測では4.1%とされた。

  パウエル議長は会見で、「ソフトランディング」は米経済に関するFOMCの基本予想ではないが、インフレ抑制を目指す中での第1の目的だと説明した。

引用:bloombergより

このように9月の政策金利は引き上げられることなく終了することになりました。この決定については事前の大方の予想通りであり、大きなサプライズではなかったと言っていいような気がします。また、今後想定される利上げについてもあと一回程度ということで、こちらもほぼ想定内であると言っていいでしょう。そういう意味ではFRBと市場がうまく対話できていたのかなという感じがします。

さらなる長期戦への備えが必要

今回の結果についてはまあそうだろうなという感じです。ほぼ事前予想通りであり、多くの人が特別問題にするような内容ではなかったのかなという感じがします。ただ、今後の予想についてはやや予想が修正され、概ねインフレ抑制の長期化を示唆する内容だったのかなという感じです。当初想定していたよりも、政策金利を緩和させる可能性は小さいと見ているようで、インフレとの戦いはやはり長期化するのは間違いないのかなと思います。しかし、失業率の見込みも当初よりは楽観的な予想となっており、そこまで実体経済に大きな影響を与えることもないのかなという感じがします。そういう意味ではまだまだソフトランディングの可能性は十分にあるとは思います。いずれにせよ予想よりも長期戦になることは間違いないということは頭に入れておいたほうがいいのでしょう。

まとめ

今日は9月のFOMCについて見てきました。内容としては想定内であり、大きなサプライズはありません。しかし、長期予想に関してはややインフレとの戦いが長期化する可能性を示唆する内容であることは頭に入れておいたほうがいいのでしょう。