新規失業保険申請件数は更に低下。労働市場は相変わらず堅調。

米国の労働市場は引き続き堅調さを維持しています。昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は、大きく減少し、依然として労働市場は力を失っていないことが確認できました。労働市場が健全であるということは労働者にとっては非常に心強いことですし、景気にとっても大きく落ち込むリスクは低いと言っていいのではないかと思われます。

新規失業保険申請件数は更に低下

昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は、大幅に低下し、米国の労働市場は引き続き堅調についいしていることが確認されました。

先週の米新規失業保険申請件数は1月以来の水準に減少した。健全な労働市場が引き続き米経済を支えていることを示している。

  失業保険の継続受給者数は9月9日終了週に166万人に減少した。こちらも年初以来の低水準となった。

  今回の統計は、労働省が毎月実施する雇用統計の調査期間と一致する。データにより労働市場の底堅さがあらためて鮮明になった。経済全般で雇用ペースは減速しているが、企業は総じて人員削減には消極的だ。

  人員削減は限定的で、失業率も低水準にあり、堅調な個人消費が経済成長を支えている。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は20日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、労働市場は引き締まっているが、需給バランスは改善しつつあるとの認識を示した。

  より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は21万7000件と、2月以来の水準に減少した。

  季節調整前ベースでの申請件数はほとんど変化なし。インディアナ州とカリフォルニア州で申請件数が減少する一方、ニューヨーク州とジョージア州では増加した。

引用:bloombergより

このように、米国の労働市場は堅調です。インフレの高止まりや高く維持された政策金利など労働市場が悪化しそうな材料はいくらでもありますが、なかなか軟化する気配がありません。強い労働市場は経済にとって非常にプラスであり、社会全体に与える好影響も小さいものではないはずです。そういう意味では非常に良い状態が続いていると言っていいのだろうと思います。

インフレとの戦いはさらに長期化

労働市場が堅調であることは米国にとってプラスであることは間違いありません。ただ、あまりに強すぎる労働市場はインフレ抑制にとってはマイナスであることは間違いないので、そのあたりはやや頭の痛い問題なのかなという感じもします。実際、FRBのインフレ予測も収束へ向けての道のりは当初よりもより時間がかかると見込んでいるフシがあります。その一因としては強い労働市場というのもあるのかなという感じがします。しかし、景気が急激に悪化したり、大量の失業者が社会にあふれるよりはいいのかなという感じがしますし、なんとも言えないところです。いずれにせよ今回のことによって米国景気が直ちに悪化するということはないような気がしますが、インフレとの戦いもより長期化しそうな感じがします。

まとめ

今日は米国の労働市場について見てきました。相変わらずの強い労働市場であり、なんとも不思議な感じがします。なぜここまで労働市場が軟化しないのかと不思議でなりません。ただ、その事自体はマイナスではないでしょうし、とりあえずは良いサプライズだったなと言うことにしておきましょう。いずれにせよインフレとの戦いは長期戦になることは間違いありません。これからもしばらく続くことを覚悟しておきましょう。