今後のドル円レートについて、いつかはわからないが円高に動くことは確実

為替市場では依然として円安傾向が続いています。150円に近づくと流石に介入警戒からか動きは鈍くなりますが、それでも円安の流れを変えるようなものではありません。ここしばらくは円安方向への動きというのが常態化しており、それが当たり前のように感じていますが、当然ながらその流れが変わることもありえます。そしてその時というのはそう遠くはないのかなと感じています。

今後は円高に動く可能性

昨日は今後のドル円レートについての予想の記事が掲載されていました

日本銀行が今月の政策会合で超金融緩和政策を微調整し、利上げが近いことも示唆すれば、円は対ドルで1ドル=145円に上昇する可能性があると、RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは予想した。

  ブルーベイのマーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)は「長期金利の変動幅拡大を当社は想定している」と説明。日銀が10月31日の会合で長期金利の上限を1.25%に引き上げ、将来の利上げを示唆すれば、円は「145円に再び上昇する可能性がある」と付け加えた。

  日銀がそうした行動に出れば、10年物の日本国債利回りは年末までに1-1.2%のレンジになると、同氏は続けた。

  長年、日本国債に対して声高な弱気派であるブルーベイは、日銀が今月の行動に続いて、12月の会合でイールドカーブコントロール(YCC)政策を撤廃し、政策金利を0-0.1%に引き上げる可能性があるとみている。

  「日本の政策当局者はインフレが自らの予想を大幅に上回っていることに驚き続けていると、当社では考えている」とダウディング氏は述べた。

引用:bloombergより

このように今後のドル円についてはやや円高に振れる可能性があると記事では見ているようです。現在、日米の金融政策というのは米国は引き締め、日本は緩和ということで大きく円安ドル高に動いています。市場もその動きを先読みし、しばらくはこのまま行くと見ていたのでしょう。しかし、当然ながらいつかは流れは変わります。金融政策で見れば米国の引き締めというのもそろそろ終わりが見えてきた感じがします。すぐに緩和ということは流石になさそうですが、これ以上に引き締めというのもあまり考えづらい状況になっています。反対に日本は総裁も変わり、金融政策に対するスタンスがやや変わってきた感があります。そして今後は遅かれ早かれ金融政策はいわゆる正常化への道筋を探る展開となるでしょう。そうなれば当然ながら円の金利は引き締め方向へと動き、ドルの緩和と相まって円高圧力となって現れてくることでしょう。その気配を市場が感じれば一気に円高に為替が振れる可能性もあるのです。

いつかはわからないが必ず起こるもの

この手の話というのは植田新総裁が就任してからいつもなされてきたことです。そのたびに緩和が継続され、また米国でも予想外に強い経済指標から金融政策が変わることはありませんでした。そのためドル円は予想されていたよりも長く円安に動いてきたということになっています。正直またこの話かという感じはしますが、いつかはその時が来るのは事実です。そして流石にその時期というのはかなり近づいてきたのだろうと私自信も最近は感じるようになってきています。米国では利上げ停止の声が多くなってきており、最近では連続して利上げが見送られています。対して日本では緩和は継続されてはいますが、中から聞こえてくる声などでは緩和修正を匂わせるようなことが多くなってきています。そういう意味ではおそらくはもう現状維持が難しくなってきているのだろうと思います。もちろん、この考えが正しい保証はどこにもありませんし、予想外に現状が継続される可能性も十分にあります。ただ、この状態が永遠に続くということはありません。必ずどこかの段階で現在の円安の流れは変わることでしょう。そのことは頭に入れておくべきです。

まとめ

今日は今後のドル円レートについて考えてきました。市場が考えていたほどには円高には振れることなくマーケットは来ました。しかし、それもそろそろ変化の時が近づいてきたような気がします。もちろん、その時期を確実に予想することはできませんが、それは確実に起こるということだけは肝に銘じておくべきでしょう。