10月のPMIは上昇。米国経済は想像以上に力強さを残してはいる。

米国経済は厳しい見込みながらも強さを残しているようです。昨日発表された10月のPMIは前月から上昇し、苦しいながらも成長を続けていることが確認されました。インフレや中東情勢など取り巻く環境が引き続き不透明ではありますが、経済はソフトランディングへの可能性を残しているようです。

PMIは上昇

昨日発表された10月のPMIは前月よりも上昇し、米国経済の底力を見せた形です。

S&Pグローバルが24日発表した米国の製造業・サービス業を合わせた10月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は、前月から上昇。製造業での需要回復とサービス分野でのインフレ鈍化が寄与した。

  総合PMIでは販売価格の指数が3年ぶり低水準に下げた。サービス業でのインフレ圧力後退が背景にある。

  S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「10月の状況改善を受けて、米経済のソフトランディング期待が高まるだろう」と指摘。「PMIの販売価格指数はパンデミック前の長期平均に近づいており、総合インフレ率が向こう数カ月に金融当局目標の2%に向けて低下していくとの見方と整合している」と述べた。

  製造業ではコスト圧力が高まった。石油・石油関連製品の価格上昇が影響した。

  雇用はサービス業では増加が継続。ただペースは減速した。一方で製造業では雇用が減少した。多くの企業は、自発的な離職により空いたポジションを埋めていないと報告。先行きやコスト節減の取り組みが不確実なためとしている。製造業の雇用指数は、2020年半ば以来の50割れとなった。

  今後については、企業が楽観を強めていることが示された。事業の見通しを示す指数は2022年5月以来の高い水準に並んだ。

引用:bloombergより

このように米国経済は厳しい状況ではありますが、大きく交代することはありません。労働市場は依然として堅調であり、企業も活動を緩めてはいないようです。インフレが以前とした高く、世界情勢も緊迫化する中で不安は付きませんが、米国経済はソフトランディングへと着実に前進しているように見えます。

まだまだ楽観論はできない

悪材料が出たと思えばこのように高材料も出てくるという非常に判断の難しい状況だと言えるのかなと思います。最近ではインフレ等あまり良い状況とは思えない材料から先行きに対して悲観的な論調も多くなっていましたが、実体経済は労働市場も堅調であり、企業活動も活発です。そういう意味では非常にバランスが取れてるとも言えるかもしれませんし、判断に困るとも言えるでしょう。いずれにせよ結論はまだ出せないと思います。今後、本当にソフトランディングが可能なのか、それともリセッションに陥るのか、その結論を出せるのは今後の経済指標、政策次第というところです。

まとめ

今日は10月のPMIについて見てきました。経済は予想以上に強い可能性もありますが、まだ楽観は禁物だと思います。先行きは非常に不透明であり、慎重に事を進めるべきでしょう。少なくともインフレが確実に落ち着き、着実な成長が見えるまで油断は禁物です。