新築住宅販売件数は大きく上昇するも、不安は残る。

米国の不動産市場は高金利に悩まされながらも堅調な推移をしています。昨日発表された9月の新築住宅販売件数は大幅な増加となり、金利の上昇や住宅価格の高騰の中にあっても消費者の住宅への関心は失われていないことが確認されました。今後も住宅ローンの高止まりが予想され、環境はとても良いとはいえませんが、大きな悪化とはなっていません。

9月の住宅販売件数は大幅に上昇

昨日発表された9月の新築住宅販売件数は市場予想を大きく上回る結果となりました。

9月の米新築住宅販売件数は大幅に増加し、2022年2月以来の高水準となった。住宅ローン金利が急騰している中でも、消費者の住宅購入意欲が依然あることが示唆された。

  高水準の住宅ローン金利や物件価格を受け、購入を様子見する人は増える可能性があるが、中古住宅市場の在庫不足がこれまでのところ新築物件への需要を下支えしている。

  9月末時点で売りに出されていた物件は43万5000戸と、2月以来の高水準。現在の販売ペースで見た場合、在庫消化に要する期間は6.9カ月で、昨年の早い時期以来の低い水準となった。

  新築住宅の販売価格(中央値)は41万8800ドル(約6280万円)に下落。ただ、新型コロナ禍前の水準は依然上回っている。

  販売件数は北東部と南部を中心に、全地域で増加。特に南部は21年12月以来の高水準となった。

引用:bloombergより

このように米国の新築住宅販売は堅調です。住宅ローン金利はここのところ急激な上昇を見せており、不動産市場にとっては大きなマイナス要因となっています。その中にあってもこれだけの結果を残したということは米国経済の力強さを見せた形と言っていいのかもしれません。今後がどのようになるかはわかりませんが、今のところは順調であると言っていいのかなという感じです。

今後についてはやや不透明

相変わらずの強さを見せる米国経済ですが、この状態がいつまで持つかは全くの未知数です。今後も住宅ローン金利は高く維持される可能性が高いです。そのためこれほどの高い住宅購入意欲というのがいつまでも続くというのはなかなか考えられないのかなという気もします。実際、高止まりする住宅金利のため、新規の住宅購入申請指数は大きく落ち込みだしています。そういう意味では今後はこの流れも大きく変わってくるのかなという気がします。今後もしばらくは堅調な不動産市場が続くかもしれませんが、インフレは我々が想像している以上に粘着性が高く、落ち着くまでに相当な時間を有することでしょう。そういう意味ではいつまでも強い不動産市場が続くとは考えないほうがいいような気はします。

まとめ

今日は米国の不動産市場について見てきました。相変わらずの強さを見せる米国の不動産市場ですが、その影というのは日増しに大きくなっているような気はします。そういう意味では今後もこの流れが続くかどうかというのはなんとも言えませんし、あまり期待しすぎるというのも良くないでしょう。そのあたりは頭に入れておいたほうがいいと思います。