9月のPCEも非常に堅調。この結果がFOMCにどのような影響を与えるのか注目。

米国の個人消費は依然として強さを見せています。昨日発表された9月のPCEは非常に高い伸びを示し、個人消費が未だ旺盛であることが確認できました。この指標にはFRBも注目しており、今後の金融政策にも大きな影響を与えることになるでしょう。

9月のPCEも堅調

昨日発表された9月のPCEは市場予想を大きく上回る結果となり、依然として個人消費は堅調であることが確認されました。

9月の米個人消費支出(PCE)統計では、食品とエネルギーを除くコアベースでの価格指数の伸びが前月比で加速。4カ月で最大の伸びを示した。また個人支出も増加ベースが加速した。向こう数カ月における追加利上げの可能性が残された格好だ。

  PCE総合価格指数は前月比0.4%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を上回る伸びとなった。エネルギーの値上がりが影響した。

  家計の底堅い需要とインフレ加速を受け、10-12月(第4四半期)に入る時点で経済に勢いがあったことが浮き彫りとなった。エコノミストは総じて個人消費が向こう数カ月に減速すると見込んでいる一方、金融当局はこれまで、力強いデータが示された場合は引き締めを継続する可能性があると説明している。

  調査会社インフレーション・インサイツのオメイア・シャリフ社長は、顧客向けリポートで今回のPCE統計について「年末を前にしてコアインフレがやや上昇しており、金融当局としては注意を続ける必要があることを示唆している」と指摘。「第4四半期に入る時点で上振れリスクがあったように見受けられる」と付け加えた。

  ただ来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では政策金利が据え置かれると、市場では広く見込まれている。

  米金融当局が注目するサービス業の価格指数は前月比0.5%上昇と、1月以来の大幅な伸び。住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数は前月比0.4%上昇と、前月(0.1%上昇)から伸びが加速した。

  個人消費支出では財とサービスが共に増加。自動車や処方薬、国外への旅行などが伸びた。

  賃金・給与は0.4%増。一方で実質可処分所得は減少し、これで3カ月連続のマイナスとなった。こうしたことから、消費者は支出のため貯蓄を取り崩している状況だ。

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、スチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー両氏はリポートで、「個人消費支出の伸びは所得の伸びをはるかに上回っており、消費者が9月も自らの収入を超える支出を続けていたことが分かる。そうしたダイナミズムはあまり長く続き得ないと考えられる」と記した。

  貯蓄率は3.4%に下げ、今年最低。こうした状況は、米消費者が年末まで現在の支出ペースを継続できないのではないかとの懸念を生じさせる。

引用:bloombergより

このように米国の消費支出は今も伸び続けています。インフレの進行とともに金融政策も引き締められ続けていますが、消費が落ち込む気配はありません。そのうち落ちると言われ始めてもう数ヶ月も立つとは思いますが、全くその様子はないと言っていいでしょう。しかし、それが永遠に続くということはなく、いつかは落ち着くとは思いますが、現状その気配はないと言っていいような気はします。

この結果がFOMCにどのような影響を与えるのか

消費支出は未だ堅調ということで米国経済が大きく落ち込むということはないのかなという感じです。しかし、ここまで強い消費というのは流石にインフレ下においてはなかなか許容できないのではないかと思います。今の所市場の多くは今後は金融政策を据え置きと見ているようですが、そうならない可能性も十分にあるのだろうという感じがします。実際、最近の市場はやや楽観的に実態を見る傾向があるように思います。そういう意味では市場とFRBの意見が乖離している可能性も考える必要があるでしょう。来週にはFOMCが開催されます。今回の結果を受けてFOMCがどのような結論を出すのかを判断するのに時間はあまりありません。なので予想外の結果が出ることもある程度考えておいたほうがいいのかなと思います。

まとめ

今日は9月のPCEについて見てきました。米国の個人消費は本当に強いです。この傾向が永遠に続くということはないとは思いますが、現状ではその時期ではないということです。この結果をFRBがどのように見ているのか。それは来週のFOMCにてわかることでしょう。それまであまり時間がありませんので、何が起きてもいいように準備をしておくべきです。