住宅着工件数は市場予想を大きく上回る

雇用や消費が落ち込みを見せる中、不動産市場についてはまだ明るさを見せているようです。昨日発表された10月の住宅着工件数は市場予想を大きく上回るものとなり、住宅市場は金利が高止まりする中にあっても好調さを維持しています。金利のピークをすでに迎えたと思われるため、先行きに対して楽観的な見方も増えているようです。

住宅着工件数は大幅に増加

昨日発表された10月の住宅着工件数は市場予想を大きく上回るものとなりました。

10月の米住宅着工件数は市場予想を上回り、3カ月ぶり高水準となった。住宅建設業者は限定的な中古住宅供給から引き続き恩恵を受けているようだ。

  一戸建ての住宅着工件数は0.2%増加し、7月以来の高水準となった。

  建設許可件数は一戸建てが2022年5月以来の高水準となり、集合住宅も増加した。

  借り入れコストの上昇と高止まりする価格が需要に打撃を与え続けている一方で、中古住宅の供給には限りがあるため、購入者は新築住宅へとシフトしている。住宅ローン金利の上昇を背景に、住宅建設業者は購入希望者のために割安な融資金利やその他のインセンティブを提供している。

  新築住宅の販売はおおむね増加傾向にあり、借り入れコストの低下が近いとの見方から住宅建設株は最近、堅調に推移している。

  地域別の住宅着工件数は西部が12.5%増、中西部が28.4%の急増となった。一方、北東部は過去2年余りの最低水準に落ち込んだ。米国最大の地域である南部では年初来の低水準。

  27日には10月の新築住宅販売が発表される。

引用:bloombergより

このように10月の住宅着工件数は非常に好調です。これは中古住宅が非常に不足していることにも起因しており、新築住宅のニーズが非常に高くなっていることの現れだと思われます。最近は政策金利が急激に引き上げられたこともあり、住宅ローン金利も非常に高くなっています。そのため不動産市場にとっても厳しい環境だとは思いますが、それでも予想しているほどには不動産市場は悪化していない印象です。このところはインフレ化においても予想外に好調だった消費や雇用に陰りが見えてきましたが、不動産市場に関してはまだ力強さを残している印象です。

あまり楽観はできない

今のところはまだ好調な不動産市場ですが、先行きに対してはやはり楽観はできないのかなという感じです。金利についてはおそらくは今後の引き上げは行われない可能性が高くなってきました。そういう意味では不動産ローン金利もこれまでのような上昇を見せることはないでしょう。なので環境は確実に良くはなると思われます。しかし、消費や雇用が悪化してくれば、その影響も不動産市場が受けることはまず間違いないと思われます。これまでもインフレ化においても旺盛な投資意欲を持っていた消費者や企業もその環境の悪化により確実に不動産市場への関心は薄れることになるでしょう。そうなればせっかく金利が低下してきても期待したほどの成果は得られない可能性も出てきます。そのあたりは注意しておいたほうがいいのかなという感じがします。

まとめ

今日は米国の不動産市場について見てきました。まだまだ好調な不動産市場ですが、先行きは思っているほど明るくはないのかなと感じています。住宅ローン金利はおそらく低下してくるとは思いますが、それでも投資意欲が出てくるほど外部環境は良くならないでしょう。そういう意味ではあまり過度な期待はしないほうがいいと思います。