FOMC議事録については大きなサプライズはなし

昨日は市場が注目していたFOMC議事録が公開されました。内容としては想定内のものであり、大きなサプライズはなかったのかなという印象です。市場もそれほど大きく動くことはなく、同様の印象を持ったものと思われます。

議事録が公開

昨日は10月末に行われたFOMCの議事録が公開されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が10月31日ー11月1日に開いた会合では、今後の政策金利の動向に関して「慎重に進む」戦略を取るほか、追加引き締めの是非はインフレ目標に向けた進展度合いに基づいて判断することで政策当局者の見解が一致した。11月21日に公表された議事要旨で明らかになった。

  議事要旨では、「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」と記された。

  FOMC会合では、消費と雇用での力強いデータ継続をよそに、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%で据え置いた。

  今回の議事要旨は、FOMCがインフレに対して辛抱強いアプローチで臨み、今後の政策判断は入手する経済データに左右されることを示している。

  「ディスインフレのプロセス継続や金融・信用状況の引き締まりを受けた総需要の鈍化、労働市場の需給バランス改善の度合いを見極める上で、向こう数カ月に入手するデータが助けになると、参加者は予想した」と議事要旨は記した。

  10月は米10年債利回りが5%を超えて16年ぶり高水準を付けるなど債券市場が混乱。中長期の借り入れコスト上昇を受けて、一部当局者は金融環境の引き締まりが追加利上げの代役を果たすとの見解を示した。

  議事要旨では、「中長期債利回りの変動性が高まり得るほか、最近の上昇とその根強さの背後にある要因が不透明だということを参加者は強調した」としつつ、「中長期債利回り上昇の要因が何であれ、金融環境の変化が続けば金融政策の道筋に影響を及ぼしかねず、従って市場の展開を注視し続けることが重要になる」と説明した。

  FOMCはリスクの二面性に対処しようと努めている。つまり過度な利上げでリセッション(景気後退)を招くリスクと、消費を冷やし時宜を得た形でインフレ率を2%に戻すための引き締めが不十分なものに終わるリスク、その両方の回避だ。

  議事要旨は、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的な目標である2%を大きく上回っていると強調した」と指摘。また「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になるとも強調した」と付け加えた。

引用:bloombergより

このようにFOMCではインフレの鈍化を確認しながらも依然としてその道のりは険しく、慎重に判断するという感じの内容でした。これまで内部から聞こえていたとおり、今後の金融政策については慎重な姿勢が現れており、インフレ抑制に対して全力を注ぐことが示されています。全てはデータ次第であり、これまでの発言通りの内容だったと言えるでしょう。

サプライズなし

内容としてはほとんどサプライズのないものだったと思います。現状、インフレの落ち着きを確認しながらも今後については慎重姿勢を崩さず、データによってどのようにも変化するというところでしょう。これに関してはこれまでも述べていた通りのことであり、何も驚くべきことはないといったところです。市場に関してもそれほどサプライズだったことは内容で、大きく反応することもありませんでした。そういう意味では全てにおいて予想通りのものだったと言っていいのかなと思われます。

まとめ

今日はFOMC議事録について見てきました。予想通りのものであり、大きなサプライズはなかったというところです。すべてデータ次第で今後はどうとでもなるということを確認するものでした。そのことは頭に入れておくべきでしょう。