新規失業保険申請件数は大幅に減少するが、これは一時的な要因である可能性が高い

米国の労働市場は一時の強さを失いかけていますが、今は再び力を見せているようです。先週一週間の新規失業保険申請件数は、大幅な減少となり、労働市場が力を失いかけてはいますが、まだまだ強さを見せてもいるような感じです。しかし、もうすぐ感謝祭ということで一時的な要因である可能性時もあり、まだまだ油断はできないでしょう。

新規失業保険申請件数は大幅に減少

昨日発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は大幅な減少となりました。

先週の米新規失業保険申請件数は6月以来の大幅な減少となった。労働市場が徐々に冷え込む中、雇用主が依然として労働者を確保しようとしていることが示唆された。

  失業保険申請件数は年末に向けたホリデーシーズン前後は特に変動が大きくなる傾向がある。より変動の少ない4週移動平均は22万件に減少した。 

  季節調整前ベースでは、先週の申請件数は7月以来の高水準に増加。州別ではカリフォルニア、オレゴン、ケンタッキーでの増加が目立った。継続受給者数は4カ月ぶりの大幅増。

   ブルームバーグエコノミクスのエコノミスト、スチュアート・ポール氏は「季節調整済みの失業保険申請件数の減少は、感謝祭の休暇を前にした変則的な労働者確保の動きで説明できる」と指摘。「週ごとのボラティリティーをならせば、継続受給者数の増加傾向は、失業者の再就職がますます困難になっていることを示唆している」と述べた。

引用:bloombergより

このように先週は新規失業保険申請件数は大幅に減少しました。最近は労働市場の悪化傾向が続いていましたが、それを打ち消すような結果となっています。しかし、米国ではこれから感謝祭など重要なイベントが目白押しです。そのため雇用主が労働者の確保のために一時的に動いた可能性が大いにあります。そのため、今回の結果も労働市場の力を表すものとしてはやや物足りないものと言えるような気がします。まだまだ労働市場の軟化は終わってはいないと思ったほうがいいでしょう。

一時的な減少であり、楽観論は禁物

数値だけを見れば再び労働市場の力が戻ったように思えますが、先程も述べたようにこれは一時的なものでしょう。これから年末にかけては米国で一番重要な商戦が行われる時期です。そういう意味では企業も労働者確保に動いた可能性が十分にあります。そういう意味ではあまり現状を正確に把握するものとしては正しくないような気はします。そしておそらくは年明け以降はまた労働市場の悪化は続いていくものと思われます。そういう意味では今回の結果を持って楽観視はするべきではないということです。

まとめ

今日は先週一週間の新規失業保険申請件数について見てきました。先週はかなり良い結果となっていますが、これは一時的な可能性が非常に高く、楽観視するのは危険です。米国の経済失速の影は一段と大きくなってきていることは確実であり、油断はしないほうがいいでしょう。