今後も円安が続くとは私は考えていない。

為替市場では1ドル137円台後半を付けるなど円安方向に向かって動いています。安倍元総理が死去した時には一時的に円高に振れる場面もありましたが、日銀の黒田総裁が金融緩和政策を続けるとの発言もあり、再び円安方向へと動き出しました。しかし、この円安がいつまでも続くとは個人的には思っていません。おそらくはこの流れはあと数か月で終わるのではないかと感じています。そういう意味では安易に金利差が開くのだから円安に進むと考えていると大けがをするでしょう。そういうわけで今日はドル円市場の動きについて考えてみます。

ドル円相場は徐々に円安方向へ動いている

最近のドル円相場は円安ドル高の動きが続いています。これは日米の金融政策の違いが大きいと思われます。米国はインフレ抑制のために厳しい引き締め政策に動き出しました。それに対して日本はまだ金融緩和政策を続けています。当然お金は金利が低い方から高い方へ流れやすいです。誰だってお金がより多くもらえるのであればその方がいいですからね。なので円は売られやすくなりドルが買われやすくなり、その結果円安ドル高になるという感じです。

11日のニューヨーク外国為替市場は、日本の参議院選挙で自民党が大勝したことを受けて大規模な金融緩和が当面継続するとの観測などから円が売られ、円相場は一時、1ドル=137円台後半まで値下がりし、およそ24年ぶりの円安水準を更新しました。11日のニューヨーク外国為替市場は、円を売ってドルを買う動きが出て、円相場は一時、1ドル=137円75銭に値下がりし、およそ24年ぶりの円安水準を更新しました。参議院選挙で自民党が大勝したことを受けて日本では大規模な金融緩和が当面続き、金融引き締めを加速させるアメリカとの金利差が拡大するとの観測が出たことが背景の1つにあります。市場関係者は「日米の金融政策の方向性の違いが改めて意識された。今週はアメリカの金融政策に影響を与える消費者物価指数が13日に発表される予定で投資家の注目が集まっている」と話しています。

引用:NHKより

その金融政策がいいのか悪いのかということについてはここでは取り上げません。とにかく日米の金利差が拡大していく方向で進んでいるということが重要であり、そうであれば為替も円安ドル高に進むのは当然だということです。市場というのは先の動きを予想して動きます。なので今の為替市場で円安に動いているということはこの先もしばらくはこの傾向は続くと市場は見ているということです。であればその見方が変われば当然為替市場の動きも変わってきます。仮に現在の金利差が開いていくのだとしても円安の動きは修正され、円高に向かう可能性もあるでしょう。そしてその可能性というのは意外と高いような気が個人的にはしています。

日銀総裁人事次第で為替は大きく動く

その理由としては日銀総裁人事があります。ご存じの通り日銀の黒田総裁の任期は来年の4月までです。そして後任がどのような人になるのかということを市場は非常に注目しています。黒田総裁と同じような考えを持っている人が後任につけば為替は今と変わらない動きをするでしょう。しかし、そうでないとすれば為替市場は一気に円高に振れる可能性もあるのです。先ほども言いましたが為替市場というのは未来を先読みして動きます。仮に次期日銀総裁が金融緩和に消極的な人だと市場が判断すればその瞬間から一気に円高に為替は触れていくと思われます。岸田首相は正直言ってそこまで金融緩和に対して積極的な考えを持っているとは思えません。緊縮派だという人もいますが個人的にはそこまで思い切った人事はしないと思っています。岸田首相のこれまでの行動を見れば、とにかく波風を立てないように行動すると思われます。なので金融緩和派でも緊縮派でもないニュートラルな人を選ぶのではないかと思っています。そうなれば為替市場は少なくとも円安の動きは止めることになるでしょう。金融緩和をやめる可能性が見えてくるのであればこれまでのような円安一本やりということはなくなると思います。このように、現在の為替市場は今後の日銀人事によって大きく変わる可能性があり、そしてその可能性というのは少なくともこれまで通りの円安が続くというのは非常に低いのではないかと個人的には考えています。

まとめ

今日は今後の為替相場についてみてきました。しばらくは円安の方向で進んでいくとは思いますが、これが来年の今頃も続いているとは個人的には考えていません。次期日銀総裁人事がいつ決まるのかわかりませんが、それが誰なのかわかった段階で為替市場の動きは大きく変わるでしょう。そしてそれは円高になる可能性が十分に高いと思っています。もちろんこれは個人的な考えであり、何も将来を保証するものではありません。しかし、これまでの岸田首相の考えや行動を見れ見ればそう思っている投資家も多いのではないかと思います。なのであまり円安にかけすぎるというのは良くないと思います。