ESG関連の投資商品は投資家の期待に応えられていない。

環境や人権などに対する意識というのは日に日に高まってきています。投資の世界についても同じで、いわゆるESG投資やSDGs等、きちんとそれらについて行っている企業に投資しようというのが大きな流れになってきています。しかし、最近は少しその流れも変わってきているようです。以前も少し触れましたが、投資家の意識も少しずつ変わってきたのかもしれません。というわけで今日はESG投資に対する投資家の姿勢についてみていきたいと思います。

ESGの投資信託の純資産が減少傾向

先日、日本経済新聞に6月の投資信託の純資産総額ランキングが掲載されていました。相変わらずS&P500への投資などは人気のようですが、ESG投資に対する投資信託は減少が目立つようです。

上位20本中で残高減少が目立ったのは、アセットマネジメントOneが運用する4位の「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」。6月末の残高は前月より316億円少ない8059億円。資金流出と運用成績の悪化を背景に残高減少傾向が続いている。

引用:日本経済新聞社より

ESG投資については以前も当ブログで取り上げたように、最近はあまり以前のような勢いがありません。理由としては投資方針が不透明だったり、投資したくないところへも投資してしまうなど投資家の意志とはずれた商品設定になっているなどの問題があるようでした。ESG投資というのは最近の環境意識の高まりなどで非常に注目されてきていましたが、ここへ来て伸び悩んできているようです。今回の記事もそれを裏付けるものであり、投資家の行動も変わってきたのだろうというところです。

その理念事態に問題があるというわけではない

もちろん、環境に対する意識がないということはないでしょう。問題はその商品にあるのであって、ESGという概念そのものにあるのではないと思います。環境を大切にした投資をしたいが、それはESGをうたった投資信託では実現できないと投資家は思っているのです。実際それらの投資商品は資金の用途が非常に不透明だったり、明らかにESG投資としては投資不適合だと思われるものが混ざっていたりと、要は商品の質が悪いということです。これは投資に限らずブームになる商品につきものだとは思いますが、粗悪品が多く出回ってしまったということでしょう。これでは当然ながら投資家はそれらの投資商品を買ってはくれません。

成長の過程で起こる必要プロセス

今はブームになっているために一時的に落ち込んでいますが、そのうちまた盛り返しては来るでしょう。先ほども言いましたが環境に対する意識やESGという理念そのものが否定されたというわけではありません。なのできちんとした商品が出来上がれば投資家もまっとうな評価をしてくれるはずです。なのでこれからは商品を提供する側の姿勢が問われてくるでしょう。このことをチャンスととらえ、より良い商品を作ろうと行動を起こしているところは必ずあるはずです。なのでESG投資に興味がある人はそのような素晴らしい商品が出てくるまで少し待った方がいいのかもしれません。もちろん今も十分に素晴らしいものはあるのかもしれませんが、今は粗悪品が混ざっている可能性が高く、危険だということは頭に入れておいた方がいいでしょう。

まとめ

今日は最近のESG投資に関する動きを見てきました。人気商品にまがい物が混ざるというのはどの世界でも避けては通れないものです。成長の過程で必ず起きるものであり、今はそういう意味では非常に危険な時期なのかもしれません。なのでESGに興味があり、それらに投資をしようと思っている人は特に中止をしましょう。目論見書などをしっかりと読み、変なものをつかまされないようにするべきです。もしその自信がないのであればおとなしくインデックスに投資するか、より良い商品が出てくるまで待つのがいいのではないかと思います。