日本のようなハッピーエンドを米国は願っている?

日本が全く成長をしなくなってもうずいぶん経ちます。その間大量の資金を市場にばらまき続けたにもかかわらず、全くインフレは起きませんでした。この状況は我々にとっては非常に不幸なことですが、現在の高インフレの世界から見ると日本の先例というのはある意味希望を持てるものなのかもしれません。もちろん、問題も多く含んではいるものですが、少なくとも長期的な金融緩和を行ったとしてもインフレにもならず、社会が一応機能しているというのは歴史的に見て奇跡のようなものなのでしょう。そのような発言をチャーリー・マンガー氏がしたようなので今日はそれを見ていきたいと思います。

The Financial Pointer

バークシャー・ハザウェイのチャーリー・マンガー氏が、会長を務めるデイリー・ジャーナル年次株主総会で、足元のインフレについ…

日本のようなハッピーエンド?

チャーリー・マンガー氏はバークシャーハサウェイ社の副会長も務める著名な投資家です。バークシャーハサウェイはウォーレン・バフェット氏が会長を務める投資持ち株会社であり、そのバフェット氏の相棒としてマンガー氏は長年連れ添ってきました。そのマンガー氏が自身が会長を務める会社の株主総会で以下のような発言をしたそうです。

日米欧ほかのように現代国家が莫大なお金をばら撒き刷っている。規模の面で新たな領域に入りつつある。

日本はそれをやったのに、たいしてインフレにならず、まだ立派な文明社会だ。実際、日本は全世界で最も立派な文明の1つと言える。この極めて極端な政府の貨幣増発にもかかわらず、悲惨な結果を生まず、25年間の停滞を続け、生活水準もたいして改善しなかった。

引用:The Financial Pointer 日本のようなハッピーエンドを祈っている:チャーリー・マンガー より

現在、世界中の国で金融緩和が行われ、大量の資金が社会に投入されています。それにより世界は新たな局面を迎えているといっています。そして今後、大幅な金利上昇が見込まれ、世界経済の停滞が懸念されています。しかし、日本はもうすでに30年近くそのような政策を行っているのにもかかわらず、インフレにもならず金利も上昇しません。かといって社会が不安定にもならずに非常に平和な国家として存在しています。そのことがある意味奇妙でもあり、奇跡だというのです。

世界がインフレになっても日本はインフレにならず

たしかに過去の例を見てみれば、これだけ金融緩和を行えば、金利は上昇し、インフレにもなるはずです。しかし、なぜか日本ではそのような兆候は全く見られません。最近はようやく日本でも食品やエネルギー価格などが上昇傾向を示し、インフレになるかのような発言が多くみられるようになっています。しかし、価格変動の大きいそれらの品目を除けば依然として日本はまだインフレになるようには見えません。少なくとも欧米のような急激な物価上昇というのは影も形もないのです。

米国も日本のようになるのか

この日本の状態というのは今の米国から見れば非常に奇跡的な状態ということなのでしょう。今の米国は非常に高いインフレに悩まされています。それにより経済が疲弊し、社会全体が不安定になることを恐れているのです。しかし日本のようにうまく立ち振る舞えば、その停滞にうまく順応し、社会が混乱しないこともあり得るということです。

日本がハッピーだとはとても思えない

まあ、この30年の日本がいい状態だったとはとても思えませんが、少なくともインフレにもならず、社会が混乱もせず平和であったということはよかったのかなとは思います。しかしこのような状況がこれからも続くとはとても思えません。この30年は過去の貯蓄を食いつぶしてきて何とかやってきたというところだと思います。それももうほとんど残っておらず、これからは非常に厳しい時代がやってくるのではないかと感じている人も多いのではないでしょうか。そう感じている私からすると、日本がとても成功しているようには思えませんが、現在の米国の状況を考えるとそう見えるのも仕方ないのかもしれません。

まとめ

今日はチャーリー・マンガー氏の発言から、過去の日本や未来の社会について考えてみました。現在の米国を見ていると非常に将来が心配になります。日本は大規模な金融緩和を続けても何とか平和を保ってきましたが、米国ではおそらくそうはならないでしょう。事実ここまでインフレが進んでいるのですから、すでに違う道を歩んでいることは間違いないところだと思います。であれば、これからどのような未来が米国を待ち受けているのかはわかりません。個人的には相当厳しい状態になるのではないかと思いますが、米国が日本のような長期停滞に陥ることはまずないのではないかと思います。米ドルという基軸通貨を持っているということは非常に大きいですし、国内にも世界的な企業も多く、高い技術力もまだまだ健在です。そういう意味では短期的には厳しいかもしれませんが、長い目で見ればまた米国が成長していく可能性は十分にあると思います。