金融所得課税の行方や財政規律条項がどうなるのかが非常に気になるところ

週末には第26回参議院選挙が行われました。日本国民として非常に重要な選挙であり、投資家としても重要な政策が多くあることもあり注目していました。結果としては与党が大勝という形となり、岸田政権は国民の信任を得た形になります。政権が安定するという意味では非常にいいと思いますが、政策面では若干の不安がないこともありません。そういうわけで今日は先日の参議院選挙についてみていきたいと思います。

選挙は与党が大勝

7月10日に第26回参議院選挙が行われました。結果としては与党が勝利をおさめ、岸田政権は国民の信任を得ることができました。

第26回参院選は10日、投開票が行われた。自民、公明の与党は参院全体(248議席)の過半数の125議席に加え、改選議席(124)の過半数の63議席を大きく上回った。改選55議席の自民は63議席に達し、単独でも改選過半数を確保する大勝を収めた。与党に日本維新の会、国民民主党、憲法改正に前向きな無所属を加えた「改憲勢力」が、改憲の発議に必要な3分の2(166議席)の維持に必要な82議席以上を獲得した。

引用:yahooより

このように与党は改選前よりも議席数を伸ばし、改選議席の過半数を獲得するなど大勝といっていい形となりました。さらにいわゆる改憲勢力と呼ばれる勢力も会見に必要な3分の2の議席を獲得するなど、今後の政局に大きな影響を与えるであろう変化が起きたといっていいと思います。

改憲勢力が3分の2を確保

改憲勢力が3分の2を超えたということで憲法改正が真っ先に連想されると思いますが、そう簡単にはいかないでしょう。改憲勢力といってもそれぞれの勢力で会見の方向性は全く違います。しかも自民党など同じ党内でもその方向性に違いはあるのでそう簡単に憲法改正という流れにはいかないでしょう。しかし、ロシアのウクライナ侵攻などにより国民の安全保障に対する関心は非常に高まっており、何らかの形での進展はされるのであろうと思います。

9条よりも気になるのは・・・

そして、憲法改正というと9条を連想されがちですが、当然ながら憲法というのはそれ以外にも存在しますし、付け加えることだって可能です。そういう意味では非常に気になる点も存在します。いわゆる財政規律条項と呼ばれるものです。これは主に財政健全派の人たちが主張していることで、憲法にこの条文を盛り込むことにより財政出動をある程度制限させようというのです。個人的にはこの条項には反対です。そもそも何が起きるのかわからない未来のことについて足かせを付けるようなことはするべきではありません。ましてや憲法で制約をするというのはいざとなったときに柔軟な対応ができなくなる可能性があります。新型コロナによって政府は大幅な財政出動によって個人や企業に手厚い補償をしてきましたが、そのようなことが今後は機敏にできなくなる可能性があると思います。必要がなければしなければいいだけの話ですし、何も憲法によって制限する必要はないでしょう。政策の柔軟性を失ってしまうという観点から見てもこのような憲法改正には反対です。

金融所得課税の行方

投資家としてはもう一つ重要な懸念材料があります。かねてより岸田首相が述べていた金融所得課税の問題です。今回の選挙によって今後3年は大きな国政選挙はない可能性が出てきました。よってこれまでのように国民の顔色を窺って政権運営をする必要がなくなったのです。そのため国民にとって不利益になるであろうことでも容易にできるようになったので、増税などはやりやすくなってしまったと思います。もちろん反対意見も多くあるのですんなりいくとは思いませんが、これまでのように民意をうかがいながら危ない橋はわたらないというような政権運営はしないのではないかと思います。これからはおそらくは積極的に批判を浴びるような政策も実行してくるでしょう。そういう意味では政権が安定したということは歓迎したいところですが、心配事も多くなったなという感じです。

まとめ

今日は先日の参議院選挙を受けての感想を述べてみました。政権が安定するというのは投資家にとっては非常に喜ばしいことです。少なくとも株式市場にとってはプラス材料となるでしょう。しかし、今後については懸念材料も多々あります。特に財政規律条項と金融所得課税の行方には非常に注目しています。そしてそのリスクというのはとても高いような気がして心配です。そういう意味でも野党の方々には何とか頑張ってもらいたいところですが、野党の方がむしろ前向きだったりしそうで怖いといった感じです。ただ、もう決まってしまったことなのでどうすることもできません。とりあえずは様子見といったところでしょうか。