日銀は金融緩和政策の維持を決定。まあ、当然といえば当然。

16日と17日に、市場が注目していた日銀金融政策決定会合が行われ、現在の金融緩和政策の維持が決定されました。当初は米国をはじめとする諸外国が利上げをする中、日銀の政策にも変化が出てくるのではないかという意見もありましたが、結果としてはこれまで通りの姿勢を継続するということとなり、改めて日本は金融緩和を続けていくという姿勢を示したことになります。個人的には現在の黒田総裁であればそうだろうと思っていたので何のサプライズもないものでしたが、市場では一部に政策変更の可能性を探る動きもあったようです。そういうわけで今日は先日行われた日銀の金融政策決定会合についてみていきます。

金融緩和政策はこれまで通りの政策を維持する

日銀は今月の16日と17日に金融政策決定会合を行い、現在行われている金融緩和政策の維持を決定しました。

 日銀は16─17日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決めた。リスク要因として、金融・為替市場の動向やその経済・物価への影響を「十分注視する必要がある」と異例の言及を行う一方、10年物国債金利0.25%での指し値オペを原則毎営業日実施すると改めて表明した。

引用:ロイターより

今回の会合についてはこれまでに比べてやや注目されていたように思います。というのも諸外国がインフレ対策として金利を上げ続けていく中、日本でも物価上昇が意識されてきているため、日銀の政策も変わるのではないかとみられていたためです。しかし、結果としては金融緩和の姿勢に変化はなく、これまで通り安定的な物価上昇が確認されるまで金融緩和政策を維持することを決定しました。これについては個人的には完全に予想通りといった感じです。物価について日本でも上昇傾向にあることは確かですが、変動の激しいエネルギーや食品を除けばまだ1%にも満たない上昇です。このような状況で金融緩和をやめてしまえばあっという間にデフレに戻ってしまうでしょう。そういう意味でも金融緩和はやめるべきではないと思いますし、日銀もそのように考えたのだと思います。しかし、諸外国を見ればインフレ対策として金利を上昇していく流れは当たり前のような感じです。なので日銀も政策の変更はしないまでも、声明文が若干変化するのではないかという期待もありました。しかも直前にスイスが予想外の利上げに踏み切ったこともあり、日銀の政策変更の可能性について期待する向きもありました。結局のところそれは杞憂に終わったということです。

日本市場にとってはプラスとなる

今回の発表を受けて、今後も日本は金融緩和政策を維持していくことがほぼ確定的になったと思います。そういう意味では株式市場にとってはプラスといっていいと思います。最近では米国をはじめ海外市場に比べると日本市場のパフォーマンスは相対的に良い成績を収めています。円安により割安な日本株式を買いやすくなっていることもありますし、これからコロナからの復興需要等も十分に考えられます。さらにインフレの影響が欧米よりも強く出ておらず、そういう意味では株式市場にとっては良い環境になってきたのかもしれません。長期的にはやはり日本市場というのはあまり期待はできないような気はしますが、短期的には日本市場は良いパフォーマンスを残せるような気はします。特に日本に住む我々にとっては日本株に投資するというのは税制上も非常にメリットがあります。そういう意味でも今は少し日本株の割合を増やしてもいいのかもしれません。

まとめ

今日は先日行われた日銀の金融政策決定会合についてみてきました。やはりというか、当たり前だとは思いましたが、金融緩和政策は維持されることになり、株式市場にとってはプラスとなるでしょう。そして欧米市場がインフレによって先行きが不透明なことを考えれば、日本市場は割と有望な投資先なのかもしれません。長期的な展望はともかく、短期的には日本株も悪くはないのだろうと思います。