来年のS&P500は5200を予想する人もいる。しかしそうかんたんには行かないだろうとは思う。

インフレが米国経済を苦しめ続け、株価はなかなか強さを見せることができていませんでしたが、来年はその流れも変わっていくのでしょうか。多くの専門家の予想の中には来年の株価予想についてかなりの強気なものも存在しており、そうなればいいなと心から思うところですが、そうかんたんには行かないだろうとは感じています。

来年は強気な予想が多い

来年の株価予想については様々なものが出てきていますが、その中でも強気なものとして以下のようなものがあります。

ウォール街で最も強気なストラテジストの1人は、S&P500種株価指数が来年5200ポイントに達し、最高値を更新すると予想している。

  今年の上昇を言い当てたオッペンハイマー・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、ファンドストラットのトム・リー氏と共に、2024年について最も強気な見通しを示している。両氏のS&P500種目標は8日終値から13%近く上昇することを示唆しており、これまでの最高値を8%以上上回ることになる。

  「米連邦準備制度が景気抑制的な金融政策からより緩和的な姿勢に転じると予想されるため、24年は転換の年になると考えている」とストルツファス氏は11日のリポートに記した。

  S&P500種が23年に急上昇するというストルツファス氏の見方は当たったものの、4400という同氏の年末予想は現在の水準より低い。

  24年については一段高を予想し、上昇銘柄が広がるとみながらも、景気循環株やテクノロジー株など、今年の勝ち組にこだわるよう投資家に勧めている。オッペンハイマーの24年S&P500種目標は、9%の利益成長率と、現在のバリュエーションレベルに沿った21.7倍程度の株価収益率という予想に基づいている。

  底堅い個人消費と雇用市場、さらにインフレ鈍化と金融当局のハト派的な論調の増加が、米経済が来年ソフトランディング(軟着陸)するとの期待に拍車をかけている。債券市場は現在、早ければ上期の利下げを織り込んでいるが、ストルツファス氏はこれを「バラ色に過ぎる」とみている。

  同氏は「連邦準備制度は景気を後退に追い込むことを避けたいと考えている」とした上で、「当局は少なくとも来年後半まで、インフレがより執拗(しつよう)ならば恐らく10-12月(第4四半期)まで、政策金利の引き下げを待つだろう」と予想している。

引用:bloombergより

このように強気な見方をする人の中には来年にはS&P500が5200へと到達すると見ている人もいるようです。実際、その可能性がないということはないでしょうが、なかなかに強気な予想だなというのが正直なところです。現状、企業業績についてはやや厳しい見方が出てきており、そういう意味ではこの予想というのはやや現実味がないような気はします。しかし、株式市場は現実よりも未来の期待に沿って動く傾向があるので、それだけ希望が持てるとなるのであればそのような結果にもなり得るのかなという感じです。

そこまで金融政策は緩まないような気はする

投資家としてみれば非常に心強い予想ではありますが、その実現性についてはどうなんでしょうかという感じはします。もちろんその可能性がゼロということはないとは思いますが、そうかんたんには行かないでしょう。何よりもこの予想というのは来年度に利下げが行われるという前提に立っています。なので予想よりも金融政策がタカ派にシフトすればこの通りにはならないのかなという感じです。個人的には市場が考えているほどの金融政策は緩和へとシフトしないのではないかと思っています。今回のインフレは非常に粘着性が高く、相当に長期間の戦いになる可能性が高いと思っていますし、当初からFRBを始め、専門家もしてきていたところです。そして最近も雇用統計にて予想外に強い結果になったこともわかるとおり、なかなか落ち着くには時間がかかりそうだなと感じています。そういう意味ではそこまでFRBは金融政策を緩めることはないのかなと思っています。もちろんさらなる引き締めというのはなかなかないようには思いますが、金利を高水準で予想外に維持する可能性は少なくはないでしょう。そういう意味ではこの予想も修正されるのではないかと思っています。

まとめ

今日は来年の株価予想について見てきました。非常に心強い予想ではありますが、そうかんたんには行かないだろうというのが正直なところです。特に金融政策がそこまでは緩和されないのではないかと個人的には感じており、そこまで悪化はしないまでも期待したほどの結果は得られないだろうと思います。もちろん未来のことは誰にもわかりません。この予想が当たるかもしれませんし、外れるかもしれません。なのでそのようなギャンブルはせずに、何が起きようとも決まったとおり投資と続けていくことが重要だと思います。初志貫徹です。