労働市場は引き続き堅調。よって利下げの開始はそう早くはないのだろう。

米国の労働市場は引き続き堅調です。先週一週間での新規失業保険申請件数は非常に低水準となり、未だ労働市場は引き締まっていることが確認されました。インフレ鈍化の兆候が明らかになり、企業もレイオフを実施している中にあっても労働市場は強さを見せつけています。

新規失業保険申請件数は低水準

昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は非常に低水準であることが確認されました。

米国の新規失業保険申請件数は先週、予想外に減少し、1カ月ぶりの低水準となった。大手企業の間で人員削減が増えているにもかかわらず、労働市場は引き続き堅調であることが示唆された。

  継続受給者数も同じく1カ月ぶりの低水準となった。

  変動のより少ない失業保険申請件数の4週移動平均は21万5250件に減少した。

  季節調整前のデータでは、申請件数は19万7932件と昨年10月以来の低水準。州別では特にカリフォルニアとケンタッキーでの減少が目立った。

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「レイオフの報道が相次いだ後に失業保険申請件数が予想外に減少した。労働市場が実際にどの程度引き締まっているのかについて疑問を深めるものだ。ただ、州レベルのデータを掘り下げて見ると、労働市場の弱さが広がっている。このことは労働市場の状況が見た目ほど楽観的でないことを示唆する」と分析した。

  今月に入ってモルガン・スタンレーや電気自動車(EV)メーカーのリビアン・オートモーティブなどが人員削減を計画していると伝わった。大企業でのレイオフ増加で、新規失業保険申請件数は今後数カ月に増加する可能性もある。

引用:bloombergより

このように米国の労働市場は引き続き堅調です。インフレは鈍化傾向を示し始めましたが、インフレ指標は今もなお強さを見せるものも多くあります。その中にあって労働市場も引き続き堅調であることが確認され、インフレ抑制の難しさを改めて実感したように思います。今回の結果を見てもわかるようにインフレをコントロールするということが非常に難しいことが改めて確認されたことは今後の金融政策にも大きな影響を与えるのかなと思います。

インフレはそう簡単には鈍化しない

労働市場の堅調さは相変わらずというところです。労働市場は当初より予想外の強さを見せ続けていますが、それが今もなお堅調であることが確認されたところです。本当に労働市場は強いなというところです。なんでここまで強いのかは謎ですが、当初から労働市場の悪化を予想していた人たちの意見というのはことごとく外れたということは間違いないようです。とりあえずそれは消費者・労働者にとってはボジティブなことではあるのでまあ良かったということなのかなと思います。いずれにせよ労働市場はおそらく大きく悪化することなく推移するのでしょう。弱くなることもあるとは思いますけど、大きな急減などはないのかなと思います。そうであればインフレもそう簡単に鈍化することもなく居座り続けるでしょう。そういう意味で厳しい金融政策もしばらく続くのではないかなと思います。

まとめ

今日は新規失業保険申請件数について見てきました。労働市場は引き続き堅調です。もうここまでくれば労働市場はそう大きく落ち込むことはないのかなという感じがします。そういう意味でもインフレ圧力は続くことになり、金融政策もそう簡単に緩むことはないのだろうと思います。そういう意味では市場が期待する利下げの実行はそう早くはないのかなという感じです。