消費者物価は落ち着いたまま推移。しかし早期利下げは厳しいように感じる。

インフレの動向に依然として注目が集まるところですが、今の所大きな問題はなさそうです。昨日発表された昨年10−12月期の消費者物価指数の年次改定は小幅な修正にとどまり、大きな変更はありませんでした。よって消費者物価の落ち着きを始め、インフレは確実に鈍化してきていると言っていいのでしょう。

CPIは落ち着いたまま

昨日発表された消費者物価指数の年次改定は以下のようになりました。

 米労働省労働統計局(BLS)が9日朝発表した消費者物価指数(CPI)年次改定では、2023年10-12月(第4四半期)の食品とエネルギーを除いたコア指数は年率3.3%上昇と改定前から変わらなかった。

  総合指数も小幅な修正にとどまった。一方、12月の伸び率は前月比0.2%と、従来発表の0.3%から下方修正された。

  改定が小幅で済んだことは、利下げ開始前に物価上昇圧力の持続的な後退を確認しておきたい米金融当局には安心材料になるとみられる。インフレは昨年後半に急速に後退したが、金融当局者はこうした進展が持続可能かどうかについて疑念を表明していた。

  BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は「この日のデータは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はインフレで著しい進展を遂げたため、利下げが3月でないにせよ、5月か6月には実施されそうだとの市場の見方を固める」とリポートで指摘した。

  CPIの改定は通常、小幅にとどまることが多いが、昨年の改定ではインフレ抑制の進展度に疑問を投げかけるほど、大幅な修正が加えられた。そのため今回の改定発表にはいつも以上に注目が集まっていた。  

  13日に公表される1月のCPI統計では、コア指数が前月比0.3%上昇の予想。実際にそうなれば、3カ月連続で同率の伸びとなり、3カ月間の年率ベースではわずかな加速となる。

引用:bloombergより

このように消費者物価の数値は速報値からほぼ変わらず、物価圧力は今のところ強くはなっていないことが確認できました。このことにより、FRBはより金融緩和へと向けた動きを加速することになるでしょう。実際に3月に利下げが行われるかどうかはまだわかりませんが、少なくとも今回の結果がブレーキとなることはないと思います。そういう意味では市場の期待は再び高まるかもしれません。

やはり早期利下げは厳しいのではないか

今回の結果を受けて、物価圧力というのはこのままゆっくりと減少していくのだろうという予測は更に高まったような気がします。急減速もせず、強まりもせずという感じで徐々に減速していくのでしょう。そういう意味ではやはり3月の利下げというのは今のところ厳しいのかなという感じがします。もちろん今後の経済指標の発表次第でどうにでもなるとは思いますが、これまでの変化を考えると、これから急激にインフレが減速するということもなかなか考えづらいところです。労働市場も底堅いですし、そこまで物価が急減速するような連想もなかなかしづらいかなと感じます。そういう意味でこれまでの予測どおり、徐々に落ち着きを取り戻し、年央から後半にかけて利下げが始まるという感じなのかなと思います。

まとめ

今日はCPIの年次改定について見てきました。物価圧力は今の所、ゆっくりとゆっくりと落ち着きを見せています。その流れはこれまでと同様に変わらずといった感じです。そういう意味で今後もこの流れが継続するでしょうし、そうであればそこまで早期の利下げというのはないのかなという感じがします。