ISM非製造業景況指数は減少傾向。

米国経済は底堅い推移をしているようです。昨日発表されたISM非製造業景況指数は減少傾向を示したものの、受注など堅調に伸びている分野もありと強弱を織り交ぜた形となっています。非常に強さを見せたわけでもなく、経済失速を思わせるような減少ということもなく、判断はなんとも言いづらい形となっているような状況です。

ISM非製造業景況指数は減少傾向

昨日発表されたISM非製造業景況指数は減少傾向を示しました。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数は、前月から低下した。受注や業況の指数は伸びたものの、雇用が落ち込んだ。

  雇用の指数は48と、縮小圏に再び低下。入荷水準は3.5ポイント下げて48.9と、昨年10月以来の低水準となり、納入時間の改善を示唆した。

  需要の先行指標である新規受注指数は56.1に上昇し、昨年8月以来の高水準。業況指数は57.2と、5カ月ぶりの高い水準となった。

  ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は発表文で「回答者の大半は、業況についておおむね前向きだ」と指摘。ただし、「インフレや雇用、現在見られる地政学的な紛争への懸念は残っている」と記した。

  2月は14業種が活動拡大を報告。建設や小売りなどで特に伸びた。

  仕入れ価格指数は5.4ポイント低下の58.6と、2022年7月以来の大幅な下げとなり、原材料価格の上昇鈍化を示した。

  納入時間の改善や受注残の低下は、需給が一段と均衡していることを示唆している。在庫増減の指数は縮小幅を拡大し、22年12月以来の低水準となった。

引用:bloombergより

このように指数自体は減少傾向を示していますが、中身を見ると強さを保っているところもあり、非常に判断に迷うような状況と言えるのかなという感じです。少なくともインフレが再び強くなってきたということもありませんし、経済の急減速の兆候が出てきていると言うこともないでしょう。そういう意味では緩やかにインフレ抑制が進んでいるということも言えるのかもしれません。少なくとも悪化も改善も大きくしていないということで良くもないけど悪くもないといったところなのかなという感じです。

今後の展開に注目

今回の結果についてはまあ、現状維持といったところでしょうか。インフレは確実に鈍化はしていますが、一部で強さを見せるところや弱さを残すところもありと、引き続きこれまでの状況をなぞったような結果だなというのが正直な印象です。そういう意味では今後の経済指標の発表がより注目されるような気はしています。少なくとも今回の結果がFRBの金融政策の変更などに大きな影響を与えることを無いでしょう。辛抱強く待つということをより強固に支持させるようなものだったと言っていいのかもしれません。いずれにせよ今回の結果によって大きな変化はないと思われます。そういう意味では今後のパウエル議長の発言や雇用統計などの経済指標へと注目は移っていくことでしょう。

まとめ

今日はISM非製造業景況指数について見てきました。内容としてはそう大きなサプライズもなく、市場を動かすこともないようなものかなという感じです。そういう意味では今後の経済指標や発言へと注目が集まるだろうという感じです。今の所米国経済は大きな変化はなく、現状維持の傾向が続くだろうという感じです。