FRBは利下げに対してはまだまだ慎重姿勢

FRBは引き続き利下げには慎重姿勢を貫いています。先日はパウエル議長の議会証言がありましたが、昨日もFRB関係者の発言が相次いで行われました。その中で各委員ともに利下げの準備はできて入るがその決断にはまだ時間がかかるという発言をしています。FRBはこれまで通りの慎重姿勢を崩しておらず、その時期というのはまだまだ先の話になりそうな感じです。

利下げには慎重姿勢

FRBのボウマン理事は講演に低下のような発言をしています。

米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、金融政策はインフレ引き下げに向け「適切に調整されている」ようだとの見方をあらためて示し、利下げを開始するのは時期尚早だと述べた。

  ボウマン氏は7日、ニュージャージー銀行協会で講演。「最近指摘したように、政策金利が現行水準で維持された状態でインフレ率はさらに低下し続けるというのが私の基本的な見通しだ」と話した。発言内容は講演原稿に基づく。

  「インフレ率が当局の2%目標に向かって持続的に低下していることが今後のデータで引き続き示唆されれば、金融政策が過度に抑制的にならないよう政策金利を徐々に引き下げるのがいずれ適切になるだろう」とボウマン氏。「私の見解では、まだその地点には達していない」と語った。2月の発言内容と同じだった。

引用:bloombergより

ボウマン理事はこのように述べ、インフレが落ち着いてきていることは事実ですが、利下げを行うにはまだ証拠が必要との見解を示しています。これはこれまでFRBが示してきた姿勢と同じであり、その姿勢が今もなお変わっていないということの現れだろうと思います。そして利下げに対する証拠がまだ足らず、その決断にはさらなる確証が必要とのことで、利下げについてはまだまだ先のこととなりそうな感じです。

これまでの考え方を踏襲

ボウマン理事は以前よりタカ派的な発言をしてきていましたが、さすがにもう引き締めを求めるようなことは言わなくなったように思います。ただ、このような考えを持っている人だけに、利下げにはより慎重な姿勢を見せていることは間違いないでしょう。そういう意味ではまだその時期ではないというのも全くおかしい話ではないのかなという感じです。そしてこのような意見というのはパウエル議長をはじめ、多くの関係者に共通する見解であり、今はそのような共通認識が共有されているのだろうと感じます。いずれにせよ、利下げの時期はまだまだ先ということは間違いないようです。

まとめ

今日はボウマン理事の発言について見てきました。利下げについてはまだまだ先になりそうです。一応市場では6月の利下げというのを見込んでいますが、現在の強い労働市場や個人消費などを考えるとそれもどうなるかわかりません。6月まではまだまだ時間も多く残されており、その間の経済指標の発表次第でどうとでもなるのだろうなというところです。