今年の利下げの回数、規模はどうなるかは本当に未知数

厳しいインフレの状況により、今後の金融政策については非常に不透明感が増してきています。利下げについても従来よりもややその時期や規模が後退すると言う予測をしている人も多いですが、今なお3回程度の利下げを予想している人もいます。実際、どのようになるのかはわかりませんが、現状、その予測というのはかなりバラけていることは認識する必要があるでしょう。

年内に3回の利下げを想定

先日、シカゴ連銀のグールズビー総裁はインタビューにて以下のような発言をしています。

米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、年内3回の利下げを見込む政策当局者の中には自身も含まれると述べた。

  グールズビー総裁は25日にヤフー・ファイナンスとのインタビューで、3月19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された金利・経済予測の中央値と自身の見通しは整合的だと語った。同予測では10人の当局者が年内少なくとも3回の利下げを、他9人が2回以下をそれぞれ見込んでいた。

  「これに関して私の予想は中央値だった」とグールズビー氏は述べたが、FOMCが利下げを開始し得る時期については見通しを示さなかった。「われわれは2つの責務のバランスを取らなければならない不透明な時期にある」と語った。

  米消費者物価指数(CPI)は1月、2月ともに市場予想を上回る伸びを示した。しかしグールズビー総裁は、2023年後半の急速なディスインフレを挙げ、物価を巡る情勢全般は根本的に変わっていない可能性が高いとの認識を示した。

引用:bloombergより

このようにグールズビー総裁は述べ、年来の利下げについてはこれまで通り3回程度を見込んでいることを述べました。最近はややインフレが厳しく、あまり鈍化指定なことが確認されていますが、従来予想を変更するほどとは思っていないようです。FRB内部でもそのような予想をしている人は半数程度いるようで、今もなお多数を締めていることがわかりました。しかし、アトランタ連銀のボスティック総裁のように今年の利下げ回数を非常に少なく見積もっている人もそれなりに入るようで、まだまだ今後の展開というのはどうなるかわからないというのが正直なところでしょう。

まだまだ確定的なことは言えない

先日はボスティック総裁の利下げは年内に1回程度という発言を紹介しましたが、今日は今でも3回の利下げを見込んでいるグールズビー総裁の発言について見てきました。おそらくはFRB内部でもこのあたりの意見の相違はかなり出ているようであり、今後も活発な議論が行われることでしょう。そういう意味で今のところは何も決まったことはなく、今後の展開次第でどうとでも変わるということだけは間違いないようです。個人的にはやはりこれまでの展開を考える限り、従来予想よりもインフレはしつこく居座ることが予想されるので、利下げの時期や規模についても相当程度縮小されるのだろうと感じています。そういう意味ではグールズビー総裁よりもボスティック総裁の意見のほうが正しいのかなという感じはしますが、果たしてどうでしょうか?

まとめ

今日はシカゴ連銀のグールズビー総裁の発言について見てきました。現状、利下げの時期や規模についてはFRB内部でも意見の乖離が起きているようで、非常に難しい判断が要求される状況なのだろうという感じはします。個人的にはやはり利下げは思っているよりも縮小すると思いますが、全てはデータ次第です。今後の経済指標などの大きく左右されるのは間違いなく、思い込みで行動するのだけ早めておいたほうがいいのでしょう。